2016.06.08 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第12章「その11:シャークスが挑んだ”最後の”関東リーグ。ボツワナとの最終節決戦」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 Fリーグが第3ステージに突入した2007年12月23日の4日前の12月19日、関東リーグで衝撃的なニュースが流れた。それは、シャークスの関東リーグ脱退の知らせであった。

 すでに紹介したように、シャークスは練習拠点を伊豆に移しており、来期の去就が注目されていたが、いよいよ静岡県に所属を移す決断を下したのであった。この時、関東リーグ1部は、13節と最終節の2節を残し、シャークスは、勝ち点1差で首位フウガを追っていた。しかし、もはや、このタイミングで発表しないと、1部昇格の参入戦の組み合わせにも影響が出るため、この次期での発表となった。

 実を言うと、シャークスは当初、関東リーグの実績を踏まえて、東海の地域リーグへ推薦の横滑りを目論んでいた。もし、新チームから拠点を移すとなると、県リーグからスタートしなくてはならないからである。しかしながら、まだその目処が立っていない見切り発車の発表であった。のちに、それがシャークスの消滅につながるのであるが、選手達は、リーグで結果を出すだけであった。

 そして、12月24日、第13節が行われた。シャークスは、府中アスレティックを5-2で破り、一方、首位のフウガはファイルフォックスに敗れたため、首位奪還に成功、勝ち点2差で首位に立った。最終節、最終試合のフウガとの直接対決に勝つか引き分ければ2度目の優勝である。また、フウガとともに地域チャンピオンズリーグの出場権を確定した。

 そして、2008年1月6日(日)、府中市総合体育館で第9回関東リーグの最終節、優勝決定戦となる大一番が行われた。神敬治が先制点をあげ、シャークスは幸先の良いスタートを切った。しかし、金川武司にPKを決められ、同点で前半を終了した。後半は逆にリードされたが、碓井孝一郎が同点に追いつき、後半残り6分まで2-2の同点という接戦となった。しかし、最後は星翔太(のちにスペインリーグ、グアダラハラ。今はバルドラール浦安)に2発決められ、2-4で敗戦、シャークスの最後の関東リーグは2位で終わった。

 振り返ってみれば、シャークスが都リーグから昇格、いきなり優勝の快挙を成し遂げたのは2003年シーズンの第5回関東リーグであった。2004年に行われた第4回地域チャンピオンズリーグにも優勝、破竹の勢いであった。

 その頃、ボツワナは都リーグで、関東リーグ昇格を目指していた。その2年後に、ボツワナ(フウガの前身)は昇格、第7回関東リーグでいきなり3位になった。そして、第8回は、1stステージは1位で折り返し、あわや優勝と言われるまでに力を付けていく。

 一方、シャークスは、ボツワナが昇格した第7回は下位リーグに甘んじた。そんな勢いの差を一気にひっくり返すべく、Fリーグ昇格を旗印に伊豆で戦力強化を図ったシャークスであったが、新興勢力の若さ、勢いには敵わなかったのだろうか。それとも、事前のあの発表が影響したのだろうか。今となっては、誰もそれはわからない。いずれにしても、最後の関東リーグ、有終の美を飾ることはできなかった。

 フウガは昇格3年目にして初優勝、破ったシャークスの主力、松浦英1979年、神、大森茂晴1980年生まれに対して、太見寿人、関健太朗、金川が1982年、星に至っては1985年生まれであった。若い星が2発決めての優勝は、フウガの今後の躍進を象徴するものであった。

 もっとも、その後、3連覇を2回達成するとは誰も思わなかったであろう。ちなみに、ファイルフォックスが4回優勝、カスカベウが2回優勝、あとはプレデターとガロの同時優勝1回、小金井ジュール1回、そしてシャークス1回優勝、カフリンガ1回優勝であるが、連覇はなかった。(直近は、リガーレ東京が初優勝)

 ところで、2部の方はカフリンガが無敗で初優勝、自動昇格を決めた。本来なら、最下位のアルプルナス(現マルバ)が自動降格であったが、シャークスが抜けたため、アルプルナスは、2部2位のセニョールイーグルスと入れ替え戦を戦うことになった。アルプルナスはこれに勝つことができ、残留を決めたが、2010年、ついに降格となってしまった。(今はマルバに名称は戻している)

 また、この時、昇格したカフリンガが、2010年にフウガと優勝争いを演じ、フウガ4連覇を阻んでいる。栄枯盛衰の流れは続くのだった。

 さて、お宝写真は、このシーズンのベスト5の表彰式にしよう。左から得点王にもなったファイルフォックス吉成圭、シャークスの神、フウガの太見、星、本来ならフトゥーロのGK大黒章太郎(欠席で代わりにフトゥーロの中野)の面々である。ご存じのとおり、全員、のちにFリーグのピッチに立った。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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