2016.06.06 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

「ケガ明けくらいがちょうどいい」。対戦相手をあえて挑発した“ビッグマウス”皆本晃の発言の真意とは。

森岡薫を超えて、Fリーグの顔になる

 皆本は近年、チームでも日本代表でも存在感が増し、特に府中では指揮官を含めて味方からの全幅の信頼を集め、ピッチで暴れまくっていた。ただそれだけではなく、ことあるごとに、強烈な意思の込められた発言を繰り返してきた。昨シーズン、名古屋を倒してリーグカップを初めて手にしたときもそうだった。

「リーグ1年目には13連敗も経験して、でも未来は明るいと信じてやってきた。その間にクラブを去った人もいるし、OBの人たちのためにも、思いを背負って戦ってタイトルをつかんで歴史を作れた」
「タイトルは、自分たちに自信をくれる“クラブのお守り”」
「リーグでは名古屋が勝っているので僕らが強くならないといけない。(タイトルを取ったことは)まだ第一歩目だから、リーグ優勝してまた一つの歴史を作りたい」

 そうやって皆本は、自分が発信することの意味を、いつも考えていた。2シーズン前から、「森岡薫を超えて、Fリーグの顔になる」と宣言したこともそうだ。

 今の日本フットサル界で、一般層への認知も含め、「誰が日本一の選手なのか」は、もはや周知の事実だった。その森岡とはポジションもプレースタイルも異なり、決して花形とは言えない後方の選手であるにも関わらず「日本一の選手」を目指すのは、無謀な挑戦のようにも思えた。

 それでもあえてそこに挑み、決意を口にしたのは、名前でお客さんを呼べるような選手がいないリーグの現状を意識したものだっただろう。自らがスター選手になる、仮になれなかったとしても、そこに挑む熱意と発言によって話題を作ることこそが、自分がFリーグのピッチに立つ意味だと、そういう責任を背負って戦っていることは間違いなかった。

 昨シーズンは、そうやって意気込んだ末にクラブに初めてのタイトルをもたらし、そして自身いわく「(タイトルを一つ取り森岡と)肩を並べるところまではきていた」。そんな矢先に、大ケガをしてしまう。10月18日の24節町田戦で負傷。左膝前十字靭帯損傷で復帰まで8カ月という離脱を余儀なくされてしまった。

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ビッグマウスにふさわしいプレーを見せるか

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