2016.06.06 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

「ケガ明けくらいがちょうどいい」。対戦相手をあえて挑発した“ビッグマウス”皆本晃の発言の真意とは。

写真:本田好伸

8カ月もの長期離脱から復帰する府中アスレティックFC・皆本晃。府中のエースは開幕前に行われたキックオフカンファレンスで「ケガ明けくらいがちょうどいい」と発言し、対戦相手の湘南ベルマーレを挑発。その発言の裏には、単なる自信だけではない、ある決意が見て取れた。皆本があえて口にした言葉の真意とは——。
(文・本田好伸)

挑発的な言葉であえて悪役となる

「ケガ明けくらいがちょうどいいハンデだと思っている」

 新シーズン開幕を前に行われたキックオフカンファレンスで、府中アスレティックFCの皆本晃は得意の“ビッグマウス”を披露した。開幕節の対戦カード順に各チームの代表選手が登壇するなか、皆本が語った意気込みは、対戦相手の湘南ベルマーレを挑発する言葉だった。

 湘南の浦上浩生がその挑発に乗っ掛かることはなかったが、会場がざわつくと、してやったりの顔を見せる皆本。その表情を見ていると、皆本はどこまでも熱い男だと感じずにはいられなかった——。

 Fリーグに携わる関係者や選手の多くが、現状のフットサル界に危機感を抱いていることだろう。加速度的な普及が進まず、一般への認知が大きく広がっているとは言えない。そんななかでクラブ環境や選手待遇が劇的に好転するはずもなく、10周年を迎えるというのに、新シーズン開幕前の話題は決して多くはない。それどころかむしろ、巷のフットサルプレーヤーに聞いても、「Fリーグってもう始まってるの?」という言葉が聞こえてくるくらい、世の中はFリーグに対して関心を持っていない。

 そういう状況を痛感している選手の一人である皆本はおそらく、何としてでも話題を作ってやろうと決心したのではないだろうか。幸い、キックオフカンファレンスが行われたJFAハウスの会場には、馴染みのフットサルメディアのみならず、通信社や新聞社も出席している。そうした報道陣や多くの関係者がそろう場所で、あえて注意を引くような、各媒体が見出しに使いやすいようなキャッチーな言葉を使えば、少しは世の中に話題を発信できるのではないかと、思いを巡らせたのではないだろうか。

 他の“優等生”な選手たちの発言と比較してみると、皆本の言葉が際立っていることは明らかだった。あえて自分が悪役となり、刺激的な発言をすることが、何もしないよりはずっとプラスに働くのではないかと考えたはずだ。そう、皆本とはそういう“熱い男”なのだ。

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森岡薫を超えて、Fリーグの顔になる

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