2016.05.25 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第12章「その7:“ボツワナ”から“フウガ”へ。関東の盟主へ名乗りを挙げる」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 2007年6月16日、府中市総合体育館で2007年シーズン第9回関東リーグの1部が開幕した。Fリーグの開幕が9月23日だから、およそその3ヶ月前に開幕したことになる。皮肉なことにFリーグを目指したシャークスの最後の関東リーグであると同時にチームとしての最後のリーグとなった。

 シャークスの関東リーグ開幕前の準備は急ピッチで進められ、監督には、スペインからパコを招聘した。パコは、スペイン1部でバリバリの選手だったらしく、コーチとしてもFCバルセロナのフットサル部門下部組織の経験があるという。関東リーグで外国人監督を起用したのは、プレデターのチャビについで2チーム目である。

 伊豆の合宿所での練習も順調にこなし、満を持して臨んだ初戦はアルプラナス水戸戦(現マルバ)であった。先発は、プロ契約選手の神敬司、大森茂晴、そしてのちに契約選手になった松浦英、セレクションで獲得した岡崎チアゴ、GKは渡辺良太という布陣である。

 勝敗は、神の勝ち越し点、大森の追加点の活躍もあり、3-2で勝利、大事な初戦をものにした。その後、2節のブラックショーツ戦を4-2、3節のコロナ戦を5-3、7月28日の4節フトゥーロ戦を4-2と下し、開幕4連勝を飾るのであった。スペイン人監督を擁し、プロ契約選手、専用の合宿所、専用の練習場、スポンサーもついているなど、シャークスの滑り出しはこの時は順風満帆に思えたのだった。

 もう一つ、順調な滑り出しを見せたチームがいた。それは、このシーズンから心機一転フウガ(正式にはフウガメグロ)と名称変更したボツワナである。このときはシャークスほど明確にFリーグ参入を表明はしていないが、参入を視野に組織体制を強化したのだった。

 これは代表の安藤弘之の力が大きい。安藤は、エースの太見寿人が小学校時代サッカーをやっていたときのコーチで、それが縁で代表になったという。幸いにもフウガはGKの内山慶太郎はステラミーゴいわて花巻に移籍したもののほとんどの主力は残っており、何よりも若さの勢いがあった。2月にはスペイン遠征も敢行、実力を蓄えていた。

 そして、初戦のブラックショーツ3-2、2節アルプルナス4-2、3節フトゥーロ3-1、そして4節コロナを6-5で下し、シャークスと同じ4連勝でFリーグの開幕時期を迎えるのであった。

 一方、調子が出ないチームは、府中3のチームであった。小宮山友祐、稲葉洸太郎、難波田治を失った前年優勝チームのファイルフォックスは初戦のフトゥーロ戦を引き分け、2戦目のコロナ戦こそ勝利したものの続くブラックショーツに敗戦、アルプルナスに引き分けとし、前年下位チームに苦戦を強いられた。

 同じく前田喜史、完山徹一、小山剛史と主力選手を失った府中アスレティックは、初戦のコロナ戦は勝利したが、フトゥーロ、アルプルナスに引き分け、4節のブラックショーツ戦でついに敗戦、1勝1敗2引き分けの滑り出しとなった。フトゥーロに至っては、2敗2引き分けで白星がなかった。

 結局、Fリーグ開幕前の4節終了時点の順位は、1位シャークス、2位フウガ、3位ブラックスショーツ、4位ファイルフォックス、5位府中アスレティック、6位アルプルナス、7位フトゥーロ、8位コロナFCとなり、昨年とは明暗分けた展開となった。

 観客動員の方は、開幕節こそ府中という地の利もあり、ファイルフォックス対フトゥーロ戦で約830人であったが、2節、3節と進むにつれて良い時間帯でも200人から400人の入りとなり、さすがに昨年と比べると大幅に減少した。

 2部の開幕は1部より一足早い6月9日に開幕した。順位はというと、Fリーグ開幕前の4節終了時点で、セニョールイーグルスが1部経験の強みを生かして1位、2位にカフリンガ、3位ゾット、4位高西クラッシャーズと続いた。現在1部となっているカフリンガ、ゾットはすでにこの時から上位に顔を出している。

こうして、1部、2部とも、9月23日のFリーグ開幕を迎えるのであった。多くの関東リーグの選手達が、チームメイトたちの試合を見に行ったと思われるが、どんな思いで観戦したのであろうか。

 さて、お宝写真は、ちょっと先の話になるが関東リーグ1部最終節最終試合の会場の模様にしよう。場所は府中市総合体育館である、さすが、Fリーグが開幕したとはいえ、最終試合は優勝決定戦となったフウガ対シャークスの試合だけに観客動員は、1022人と隆盛を誇っていた時代の動員数を記録した。ちなみに、2016年シーズンの関東2部には、Fリーグの浦安、府中、湘南のサテライトチームが在籍するようになって来ており、全国リーグと地域リーグの連携も現実味を帯びてきた。実際、今シーズンから前述Fリーグ3チームのホームゲームの前座試合にて、サテライトチームの関東リーグ2部公式戦を開催する試みが行われる。相互送客が実現できれば、お互いメリットがあり、今後も様々なアイデアの連携をして欲しいものである。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

関東フットサル三国志/バックナンバー

◀︎前の記事 トップ ▶︎次の記事