2016.03.23 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第10章「その11:決まるべくして決まったFリーグの“オリジナル8”」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 2006年11月22日、JFAハウスにて、ついに全国リーグ参入チームおよび来年度のリーグ開催要領が発表された。リーグは2007年9月開幕で、8チームの3回戦総当たりで21節84試合を行うという。

 応募は16チームだが、書類審査に残ったチームは12チームであることは前にも書いた。関東勢は、ペスカドーラ町田(カスカベウ)、バルドラール浦安(プレデター浦安)、湘南ベルマーレ、府中アスレティック、北は、北海道フットサル全国リーグ参戦委員会、ステラミーゴいわて花巻(AMV花巻)、東海地域が田原FC、名古屋オーシャンズ、関西がシュライカー大阪(マグ大阪)、デウソン神戸(セレゾン神戸)、南がバサジイ大分(大分エスペランサ)と琉球FCである。(チーム名は、現在のチーム名で表記した。かっこ内がエントリー時のチーム名である。リーグ発足までにチーム名は商標登録が義務付けられたこともあって、多くのチームが改名をした。北海道はエントリー時の団体名)

 これもすでに書いたことだが、基本要件に満たない2チーム、すなわちエントリー時の名前からもわかるとおり、チームの実態がない北海道、体育館の規模に課題があった府中アスレティックが落選となり、自ずと残りは10チームに絞られた。

 さらに10チームから、地域バランス、実力、などが考慮され、東海の田原FC、南の琉球FCの2チームが落選、バランス的に北の1チーム、南の1チーム、大都市の関東、関西から5チーム、別格ともいえる東海の1チームと、決まるべくして決まった8チームの感があった。

ステラミーゴいわて花巻
バルドラール浦安
ペスカドーラ町田
湘南ベルマーレ
名古屋オーシャンズ

シュライカー大阪
デウソン神戸
バサジイ大分

 このように考えると、8チーム募集で16チーム応募は当初、予想より多いと見られたが、今にして思えば、募集チーム数はぎりぎりで、Jリーグに比べたらまだまだ裾野が狭かったことになる。

 発表の4日後の11月26日、関東リーグの2ndステージが開幕した。奇しくも、上位リーグでは、落選した府中アスレティックと因縁のファイルフォックスの対決があった(会場は府中総合体育館ではなく取手グリーン)。落胆した府中アスレティックと、衝撃的な移籍で難波田を欠くファイルフォックスの戦いは、激しい攻防の末、2-1でファイルフォックスが勝利、意地を見せた。

 こうして、全国リーグが始まる前の特別な年の関東リーグ2ndステージが開幕、一方、すでに全国リーグ参入チーム発表となった今、「場外の戦い」は終わりを告げるのであった。

 さて、このテーマでのお宝写真というと、なかなか難しいが、名古屋オーシャンズのホーム施設となるオーシャンアリーナの建設予想図にしよう。全国リーグ発足の8チームが決まった約1カ月前、2006年10月26日、度肝をぬくアリーナ建設の発表があった。それが、オーシャンアリーナである。全国リーグ発足がこのような余波を生むとは誰も想像しなかったに違いない。

 何よりも画期的なことは、完全なフットサル専用体育館だということで、今までは、どの大会においてもどのチームにおいても、公共施設を借りる算段をしなくてはならなかったことが解消されることである。発表によれば、サブピッチも用意され、来賓席、オーロラビジョンなど、国際大会開催にも通用するもので、総工費は40億円と言われた。

 ちなみに、つい最近、2016年3月20日、名古屋オーシャンズの北原亘とペトロ・コスタの引退試合が、このアリーナで約千人の観客を集めて行われたが、こんな芸当ができるのもオーシャンアリーナならではのことである。

 そんなアリーナもオープンから約10年経過、当初は名古屋オーシャンズのメインスポンサーである大洋薬品の冠がついていたが、その後、大洋薬品がテバ製薬に買収されたことを受けてテバの冠になり、今は、無冠の変遷を辿っている。しかし、愛知県がフットサルワールドカップ2020の開催地に名乗りを挙げたが、その原動力となったのは、世界的に有名なリカルジーニョ、マルキーニョなどがプレーする名古屋オーシャンズであり、このオーシャンアリーナであることは間違いない。残念ながら、今回、日本はワールドカップ出場を逃したが、日本にはフットサル専用の素晴らしいアリーナがあることをアジアのみならず世界に発信し続けて欲しいものである。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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