2016.03.23 Wed

Written by EDGE編集部

全国大会

「若くて勢いのある選手に気持ち良くプレーさせたい」。“天才レフティ”篠崎隆樹が見つけた新たなプレースタイル。

自分の生きる道

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——篠崎選手が選手権のタイトルを意識し始めたのはいつ頃からでしょうか。

10年くらい前に中学生年代の指導者をしていて、U—15の大会を優勝したことがあって(2007年のFCクラッキス松戸)、そのときに指導者でありながらも、この年齢になってメダルをもらえることがすごく嬉しいなと感じました。それでクラッキスから、湘南ベルマーレに進み、いくつかの節目はありましたが、タイトルにすごく近づけたと感じたのは去年でした。この大会で3位になり、頂点のメダルに手が届く位置にあるんだなと、そういうメンバーにも恵まれている自覚があって、今年こそはチャンスだと思っていました。タイトルをつかめるかどうかは、一生のうちに何度もあることではないと思います。そこに一度も立つことができない選手のほうが多いと思うので、今回ファイナルに立てたときに、そのタイトルを絶対に獲ってやろうという気持ちはありました。

——その10年の間に、篠崎選手のプレースタイルも大きく変わってきました。

今までは、自分がすべてをやらなければいけないという自覚というか責任というか、そういったものがあったのですが、より上のレベルにいけばいくほど、個々の長所があって、それで戦える選手の集団になっていくので、今はそういう選手たちを生かすことが自分の役割なのかなと。それで生きないときは自分がやる、というバランスに変わってきたかなと思っています。

——以前はもっと、自分が見せてやるというようなプレースタイルだったように感じます。

そうですね。それはもちろん、正直なところはやりたいです。だから要所で仕掛けたりは今でもしていますから。でもそれよりも、今回で言えば、(日根野谷)健やレオ(横江怜)、ジャッピーニャ(本田真琉虎洲)と同じセットで出ることが多かったのですが、彼らは点を取れる選手なので、のびのびとプレーしてもらいたい。僕はバランスを取って、良いポジションに付けさせながら、一人ひとりの長所を生かせるようにと常に考えてやっていました。

——そういう心境の変化のキッカケは何だったのでしょうか。

一つは、(2010シーズン途中まで1年半チームを指揮した)ジュニオール監督の時代に、そういう(個人を優先するような)プレーをやりすぎてミスもあったし、その責任を負って、(チームプレーに徹することで)試合に出るのか、チャレンジするのかという部分で迷いがあった時期はありました。でも自分が生きられる道はそれだけではないと思うようになりました。パスも出せるし、フィニッシュも打てるし、ゲームのバランスを考えたプレーも自分にはできると感じていましたし、特に左利きという特徴もあったので、それをできれば、責任を背負いながらプレーすることも一つの選択肢なのかなと。もちろん、年齢の影響もあって、若くて勢いのある選手もたくさんいるので、そういう選手に気持ち良くプレーさせたいということもあります。

——来シーズンに向けてはどんなことを考えていますか?

もちろん、リーグ優勝を果たしていないですし、こういうタイトルを獲ったことで他チームからもマークされるチームになっていくと思います。そのなかでプレッシャーを楽しみながら戦わないといけないのかなと。名古屋がすごいのは、それでも勝てる力を持っていることですし、僕らもそういうような、気持ち的にも自分たちでゆとりを持って戦えるチームにならないといけないと思っています。

——それでいよいよリーグ制覇が見えてくる、と。

名古屋との差が縮まっていることは感じていますし、名古屋のリーグ連覇を止めないといけない。これだけ良いメンバーがいるので、町田がやらないといけないですし、リーグ優勝は僕らに課せられた宿命だと思っています。

——ちなみに、篠崎選手にとって日本代表はどんな存在ですか?

代表はもちろん、選手である以上は目指すものです。でもその前にクラブがあるので、やっぱりクラブでタイトルを獲ることが重要なのかなと。今年は選手権のタイトルを獲れた一方でリーグは獲れなかったですし、プレーオフでも苦い思いをしているので、オーシャンカップも含めて、すべてを獲れることが理想ですよね。

——そのタイトルを獲るために、自分がチームのなかでどうするのか、というイメージですか?

そうですね。でも結果は本当に人のため。見ている人やサポートしてくれている関係者の方に与えたいという気持ちを感じていて、そのためのプロセスがすごく大切なので、日々の練習を一生懸命やる。その結果で周りの人に喜んでもらえたらそれが一番良いなと。それが僕のポリシーです。

——代表に選ばれるにはどうすることが必要だと思いますか?

正直、そこまで深くは考えないです。やっぱり、このチームで勝てる、タイトルを獲ることがすごく大事だと思うし、それをやっていく先に、もし呼ばれることがあれば。もちろん、そこを目指してやっている選手がほとんどだと思いますが、年齢的にはすごく難しい。なので目の前のことをちゃんとやっていって、それを評価してもらえるのであれば、それが一番良いことかなと。

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