2016.03.02 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

W杯予選敗退後に感じた“気持ち悪さ”。フットサル界には「批判」が存在しない。

写真:軍記ひろし(futsalgraphic)

大きな期待を受けながらも、W杯予選敗退という衝撃的な結果に終わったミゲルジャパン。試合後、SNSなどには批判の言葉よりも「切り替えよう」「前を向こう」といった言葉が多く見られた。W杯予選で敗れても大きな批判を受けない——。そんな空気にフットサルを愛する1人のファンが感じたこととは。
(文・熊野耕資)

大成功も大失敗もあった8年間

2016/2/11(木)~2016/2/18(木) 2016AFCフットサル選手権 ウズベキスタン
◆グループリーグ
日本 1 – 0 カタール
日本 11 – 1 マレーシア
日本 3 – 1 オーストラリア
 ◆準々決勝
日本 4 – 4 (PK1-2) ベトナム
◆5位決定トーナメント 1回戦
日本 2 – 6 キルギス

2012年のワールドカップではブラジル、ポルトガルとの同組から日本フットサル史上初の決勝トーナメント進出。

2014年には宿敵イランを破ってのAFC2連覇。

攻守の実力者も帰化し、海外でコンスタントに活躍する選手も増え、史上最強と謳われた充実期のフットサル日本代表はワールドカップ予選を兼ねたAFCで上位5ヶ国に与えられる出場権を得られずに敗退した。

AFCの直前に行われたコロンビアとの2連戦ではミゲル監督の流動的な選手起用がズバリと嵌り、セットを崩して森岡選手を使ったタイミングでの得点や、盛り上がる展開でパワープレー返しが決まるなど、ウズベキスタンまでいい勢いで臨めると思っていただけにとにかく残念だった。

ただ、リードしている時間に不要な仕掛けでピンチを招くなど、TPOを考えたゲームマネジメント(コロンビアとの2戦目、吉川選手の退場に繋がった場面での森岡選手の仕掛けからのショートカウンター、ベトナム戦の2失点目に繋がった逸見選手のドリブルカット)、意外なほどに少なかったオフェンスのパターン(サイドでアイソレーションを作ってのシュートorファー詰め、パラレラで中央にスペースを作り、そこに侵入した選手に戻してのシュートなど)などの欠点は最後まで改善されず、振り返ってみれば前回のワールドカップベスト4の相手に2連勝という破格の結果が出たことで、アジアでの戦いを楽観視し、問題が隠れてしまったように思う。
(ベトナム戦、キルギス戦は何人かの選手は疲労の色が明らかに濃く、ベトナム戦の後半半ばまで出場していた渡邉選手がキルギス戦ではメンバー外になるなど、試合以外の面でも何らかの苦慮があったのは理解している)

ミゲル体制の8年間、日本のフットサルが大きく進歩したことはまったく疑う余地はない。

今回の結果に感情的になる必要はないが、切り替えようとか、もう一度前を向こうとか、みんなで頑張ろうとか喉越しの良い言葉で誤魔化してほしくない。

素晴らしい指導者の下で進歩したこと、それでも何らかのボタンの掛け違いがあればたった8日間の5試合で瓦解すること。

大成功も大失敗もあった8年間は大きな経験であり、今後に繋がる財産だ。

前述のW杯16強、AFC2連覇は大いに誇り、リスペクトされるべきだし、合わせて今回の失敗も妥協せず、目を逸らさずトコトン分析し、必要があれば批判し(ミゲル監督だけでなく、選手、スタッフ、関係者を含め)学びの糧にしてほしい。

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フットサル界には批判が存在しない

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