2016.02.23 Tue

Written by PANNA FUTSAL

女子

【女子フットサルの現状/日本代表編】アジアではトップクラス、世界ではベスト4の壁に阻まれる

写真:PANNA FUTSAL

アジアインドアゲームスで3連覇し、「アジア女王」の座に君臨していたフットサル女子日本代表。だが昨年行われたAFC女子フットサル選手権の決勝で、日本はイランに敗れてアジアで2位になった。では、アジアのライバルと比較して日本の強化体制はどうだったのか、世界の上位国の状況はどうなのか。アジアの中での日本、世界の中での日本を考察する。
(文・海野伸明/PANNA FUTSAL)

前回のコラムで女子フットサルの現状をお伝えしましたが、世界の中での日本はどういった位置にいるのでしょうか。まずフットサル日本女子代表の戦績を振り返ってみたいと思います。

2007年第2回アジアインドアゲームズ(マカオ/中国) 優勝 ※初結成

2009年第3回アジアインドアゲームズ(ハノイ/ベトナム) 優勝

2010年第1回世界ワールドトーナメント(スペイン) 予選リーグ敗退

2011年第2回世界ワールドトーナメント(ブラジル) 予選リーグ敗退 5位

2012年第3回世界ワールドトーナメント(ポルトガル) 予選リーグ敗退 6位

2013年第4回アジアマーシャルアーツインドアゲームズ(仁川/韓国) 優勝

2013年第4回世界ワールドトーナメント(スペイン) 予選リーグ敗退

2014年第5回世界ワールドトーナメント(コスタリカ) 予選リーグ敗退

2015年第1回AFC女子フットサル選手権 準優勝

2015年第6回世界ワールドトーナメント(グアテマラ) 予選リーグ敗退 8位

詳細はこちらをご覧ください。(一部情報未掲載もあります)

 

 結果を見るとアジアではトップ、そして世界ではベスト4の壁に阻まれているという印象があります。そして今年度のフットサル日本女子代表の試合は一つの転換期となる可能性があります。それは今年アジア女王の座を争うイランに2連敗したからです。初開催のAFCでは0-1で惜敗、そして世界ワールドトーナメントでの再戦でも1-2で敗戦を喫しました。今までアジアインドアゲームズでは3連覇を果たしており、アジアの盟主となっていましたが、この結果に対して各方面から召集、選手起用、戦術について意見が噴出しました。

 そこで少し情報を整理してみたいと思います。過去のイランとの対戦を確認すると以下の通りとなります。

2009第2回アジアインドアゲームズ予選グループ 7-6 ○
2012第3回アジアインドアゲームズ予選グループ 2-3 ×

2012第3回世界女子フットサルトーナメント予選グループ 2-1 ○
2013第4回アジアマーシャルアーツインドアゲームズ決勝 2-1(延長) ○
2015第1回AFC女子フットサル選手権決勝 0-1 ×
2015第6回世界女子フットサルトーナメント準決定戦 1-2 ×

 ここ最近の対戦で連敗をしているものの、以前より1点差で接戦を演じています。そのイランの国内事情はどうなっているのか調べてみました。まず国内リーグ(全国)はあるようです。また、AFCに向けた強化期間は3カ月用意され、フィジカルトレーニング、そして親善試合等を含めてトレーニングプランを立てて強化活動が行われたようです。またアジア3強の一角、タイは国内治安の影響で全国リーグは休止となっているものの、代表強化の為に約2か月の合宿を行い、AFCに臨んだようです。

 一方で日本の強化活動は2015年度で見てみると7月に神戸フェスタで4日間、9月のAFC直前に4日間、世界女子フットサルトーナメントも直前は3日間という内容でした。2015年度は大会もあり、活動が多かったのですが、世界女子フットサルトーナメントのみの年は事前合宿が3日間程度しかありません。直前に2 – 3か月もの強化活動を行えるイラン、タイとは雲泥の差があります。そう考えてみると全国リーグもなく、地域リーグも年間10試合程度しかないフットサル日本女子代表がアジアトップレベルを維持できているのは大健闘なのかもしれません。

  おそらくイラン、タイ共に以前は強化活動はそれ程多くなかったのだとは思いますが、打倒日本、目指せワールドクラスという事で活動を増やしていったのではないかと予測されます。また、この両国だけでなく、マレーシア、、ベトナム、チャイニーズ台北、ミャンマー等でも全国リーグの環境があるという情報もあります。

 

 今度は世界を見てみましょう。現在世界トップ4はブラジル、スペイン、ポルトガル、ロシアです。あくまで独自の調査ですが、各国の様子をまとめてみました。

<ブラジル>
 地域リーグが存在し、勝ち抜いたチームが全国選手権へ進出する。(年によって大会様式変更あり)。選手は国内だけでなく、海外移籍によってスペイン、イタリア等でも活動。
 代表活動は活動費の問題で世界女子フットサルトーナメントへの参加が危ぶまれる事もあったが、毎回参加ができており、現在6連覇中。

<スペイン>
 全国リーグが存在し、ホームアンドアウェイで年間30試合以上をこなす。U21世代の選抜大会、年代別カテゴリーリーグ戦等の環境が存在する。
 代表チームはヨーロッパで開催される大会にも参加し、それ以外でも親善試合が行われ、世界女子フットサルトーナメント前には2週間の事前合宿を実施。

<ポルトガル>
 南北8チームずつ2つに分かれたリーグが存在し、プレーオフにより国内優勝が決定する。それ以下にも地域リーグが存在し、昇降格が行われる。
 代表チームは定期的な親善試合を開催し、世界女子フットサルトーナメント前には延べ2週間の事前合宿を実施。

<ロシア>
 国内リーグが開催されており、プロチームも存在する。
 代表チーム活動は毎年5月に招待大会を開催。世界女子フットサルトーナメント前には1週間の事前合宿を行った。

 

 JFAの限られた予算の中で女子フットサルが優先されるという可能性は少ないのではないでしょうか。極端に言ってしまうと予算配分は最後になってしまうのかもしれません。世界の強豪はもちろん、アジアの各国が強化を図っている中、日本ではすぐに代表活動の増加、そしてリーグ戦試合数増加による強化等は望めないのでは感じます。となると今の環境下の中でどうやって強化活動を行っていくかは大きな課題と言えます。現状に満足せず、”待つのではなく、できる事からはじめる”という積み重ねが必要となってくるかもしれません。

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記事提供元
PANNA FUTSAL
女子フットサルの発展のために様々な情報を発信する「女子フットサル応援サイト」。各大会の試合レポート、メンバー募集、大会情報などを掲載している。

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