2015.12.13 Sun

Written by ROOTS

Fリーグ

今シーズン限りで現役を引退する高橋健介が 幕引きの場に選んだ“最後のホーム”で思いを語る

写真:本田好伸

バルドラール浦安の高橋健介が、今シーズン限りでの引退を表明。12月12日に行われたFリーグ第32節、ホームゲーム最終戦の終了後にファン、サポーターの前で挨拶した。おそらく、脳裏をよぎる様々な感情のすべてを表現することなどできなかっただろう。それでも、実直な男の言葉は、フットサルへの愛と、自身を支えたすべての人への感謝の気持ちであふれていた。長きにわたりフットサル界の一線を走ってきた33歳が、“最後のホーム”で語った全文を、高橋の口調そのままに掲載する。
(文・本田好伸/FOOTBALL CULTURE MAGZINE ROOTS編集長)

現役最後のホームゲームで、まさかのリーグ戦で自身初の退場

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 高橋は最後のホームゲーム、Fリーグ第32節バサジィ大分戦で、とんでもないことをやらかした。前半から0-2とリードされ、追い掛ける浦安は味方のゴールで16分に1点を返すと、17分に技ありの一撃で試合を振り出しに戻した。相手陣内、左サイドの深い位置から中央へと切り込んでいき、その勢いに体が流されることなく右足を振り抜くと、シュートはゴール左隅へと突き刺さった。その光景を目撃した多くの者がきっと、「引退なんてもったいない」と思ったに違いない。トップコンディションで見せる高橋の真骨頂だった。

 まさに“持っている男”は、自身が引退を表明した直後のゲームで、最後のホームで、大仕事をやってのけた。ホームに詰め掛けたファンとの歓喜を味わった。でもそのあと、高橋には思いもよらない出来事が待っていた。

 後半が始まり、3分が経過した頃に相手を倒して警告を受けると、その数十秒後に、後ろからのスライディングでファウルし、この試合で2枚目の警告。その場にいた誰もが目を疑うような光景がそこにはあった。有終の美を飾るどころか、不完全燃焼での幕切れ。高橋は、無念にもピッチから退場した。なんて“持っていない男”なのだろうか。

 試合はその後、奮起した味方が勝ち越し弾を挙げて3-2で勝利したが、そうした“波乱”があった上で迎えた引退の挨拶の舞台だった。浦安のホーム最終戦セレモニーがあり、塩谷竜生代表取締役に紹介される形でマイクを持った高橋は、感極まり、ところどころ声に詰まるシーンもあったが、そんな雰囲気も含めてその一言一句を感じてもらいたい。

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「本当にフットサルと出会って、人生が変わった」

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