2015.09.18 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第6章「その2:2003年、フットサル個人登録制度がスタート」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 2003年4月、日本サッカー協会は「フットサル個人登録制度」を開始した。これは、サッカーは学校スポーツ、企業スポーツと連動して個人登録を行うことは容易だが、フットサルは学校、企業の団体とは無縁のため、幅広く公募で個人登録をさせようというものであった。これにより、選手が複数チームで同じ大会、複数の都府県リーグにかけもち出場を防ぐことができる。逆に言えば、公式大会に出場するには年間1000円の登録費用が必要になる。そして、この費用は日本代表強化などフットサルの普及活動に充てられるという。

 ブラジル人コーチの招聘といい、個人フットサル登録制度導入といい、これら一連の動きは、サッカー協会がようやくフットサルの普及に本腰を入れたことを意味し、そのことは「見る」スポーツへの一歩を踏み出したとも言える。

 実際、SARSの影響で延期となってしまったが、7月にはアジア選手権を日本で開催する計画であった。しかも、2004年の世界選手権は台湾で行うことも決定され、メディアの注目度も増すことが期待される2003年度の幕開けであった。

 さて、フットサル個人登録は、初年度はどの程度の人数が登録されたのであろうか。JFAのサイトによれば、初年度は合計95,507人で、成人男子が33%。成人女子が4%、15歳未満男子が60%、15歳未満女子が3%となっている。これが2008年度になると、合計125,867人で、同じく割合は、40%、6%、51%、3%となっている。

 これは何を意味するかというと、最近では通称200万人の競技人口といわれる割には極めて数が少なく、6年経過しても1.3倍にしか伸びなかった。民間フットサル施設の伸びが同じ2003年には259施設あったものが、2006年には529施設と4年間で2倍に伸長した比較からも個人登録が伸びていないことがわかる。(データは日本フットサル施設連盟調べ)

 その原因は、サッカー協会やフットサル連盟等の公式な大会の開催数があまり伸びていないことに起因するものと思われる。フットサル個人登録は、公式大会に参加しない限り登録する必要性はなく、いつでもどこでも誰でものフットサルのコンセプトからすると、年間1000円は敷居が高いのかも知れない。実際、公式大会となると体育館を確保しなくてはならず、大会運営要員の動員なども考えると開催数には限界があるのであろう。

 一方、奇しくも、さきほど引用したデータの出所である日本フットサル施設連盟が設立されたのも、2003年4月であった。

 日本フットサル施設連盟は、民間フットサル施設の事業安定という視点から、施設間のノウハウを共有化するもので、かつ、(財)日本サッカー協会と協力しつつ、フットサルの普及を目的とした団体である。情報交換のみならず、施設連盟主催の競技大会開催や各種統計データの整備などを行っている。前述した施設数のデータもそのおかげであるが、2006年には、累計529施設が常設施設数として数えられている。この数からすると、恐らく現在は600施設を超えているものと思われる。ちなみに、関東6都県の施設数は、2006年で242施設、全体の46%を占めていた。

  ほどんどの施設が会員登録制を採用しており、おおよそ200から300チーム程度は登録されているものと思われる。1チーム7、8名のプレーヤーが存在したとして、重複を考えないとしたならば約100万人のプレーヤーが存在する。つまり、フットサル個人登録と民間施設で活動する選手の数を比較してみると、実に10倍以上、民間施設に登録されているプレーヤーの数が多いことになる。かたやサッカー協会主管の選手登録、こなた民間施設の楽しむフットサルプレーヤーの登録制度、両者は別ものとはいえ、フットサルの裾野を広げるためには、両者の連携は必要不可欠であろう。

 そして、2014年、前述した2つ仕組み発足から数えて実に12年、ついにサッカー協会公式のフットサルを楽しむための個人登録制度、エンジョイフットサル登録制度(愛称エンジョイF)が始まった。競技選手ではない無料の個人登録制度は恐らく世界で初めての試みであろう。そして、サッカー協会主導で楽しむためのフットサル大会も始まった。

 また。民間施設も協力して、全国のフットサル施設検索、そこで行われるフットサル大会の横断的検索などもできるようになった。登録施設の数は日本最大級の400施設以上が登録されているという。前述した両者の協力関係はまだまだ緒についたばかりであるが、フットサル人口の裾野の広がりは、競技フットサルの底上げにもつながるはずなので、多いに期待したい。

 ということで、今回のお宝写真は、エンジョイFサイトのトップ画面である。ちなみに、掲載されているJFAエンジョイ5フットサル大会は、今年で2年目を迎え、決勝大会はさいたまスーパーアリーナ―で行われる定番大会になりつつある。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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