2015.08.28 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第4章「その11:関東リーグとスーパーリーグの“統一”がかかった運命の参入戦」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 2002年3月16日~17日、千葉ポートアリーナで関東リーグとスーパーリーグの統一のために、極めて重要な大会が開催された。それは第4回関東リーグの参入戦である。

 その前の年、東京都リーグを経ないと関東リーグに参入できない2チーム、カスカベウと府中アスレティックは東京都リーグに参戦、見事、1、2位フィニッシュを果たし、参入戦の権利を得る。しかし、この参入戦に勝たなければ関東リーグに昇格はできない。もし、この時点でカスカベウと府中アスレティックが昇格できなければ、スーパーリーグと関東リーグの二重構造はさらに長く続くことになったかもしれない。当然、2チームの同時昇格が望ましかった。

 そして下馬評どおり、両者は決勝で当たり、2チーム同時昇格を果たした。しかも、スコアは3-3のPK戦で、府中アスレティックが勝利してのものだった。いかに、スーパーリーグが当時としてはレベルの高いものであったかがわかるというものである。この結果、少なくとも2強だったファイルフォックス、カスカベウが同じ土俵で戦う通年リーグが誕生、真の戦国時代を迎えることとなった。

 なお、実際には、統合には時間がかかり、最後の第3回スーパーリーグが同時並行で開催された。したがって、かけもちのチームはカスカベウ、ガロ、府中アスレティック、ロンドリーナ、プレデター、ブラックショーツで、関東リーグのみは、ファイルフォックス、フトゥーロ、小金井ジュール、マルバ、メイクナイン、キューピーである。一方、スーパーリーグのみの参加は前回登場した大量移籍のシャークス、第3回から参入した湘南蹴族であった。ちなみにシャークスの関東リーグ参入はさらに翌年の第5回からである。

 新チームを迎える第4回関東リーグ開幕の少し前、2002年5月4日から6日まで、ひっそりと第2回地域チャンピオンズリーグが開催された。ひっそりという意味は、連休中の開催であったこともあるが、場所が代々木の第1体育館であまりに広く、観客がまばらだったからである。また、メディアでの宣伝も少なかった。各地域のリーグ王者が中央に集まり、本来ならリーグ日本一を決める大会であったはずだが、今回に限らずそののちもなかなか盛り上がらない。

 原因としては、リーグ戦、選手権の終了後に行われるものだから、コンディション面でよいパフォーマンスが得られないこと、まだ地域格差が大きいこと、予算面が厳しく宣伝が行き届かないことなどが挙げられよう。

 しかし、本質的には、優勝した場合は、全国リーグ例えばFリーグに昇格できるといった選手のみならず観客向けの動機付けが必要である。サッカーの場合、全国地域リーグ決勝大会はJFL昇格がかかった大会となっている。あるいは、フットサルでも、第1回の地域チャンピオンズリーグ優勝チーム(小金井ジュール)は、選手権出場権利が与えられていた。第2回からその権利がなくなり、Fリーグカップ戦の出場機会が得られるようになったのはだいぶあとのことである。

 さて、大会結果は決勝でファイルフォックスが7-0でガロを破り優勝、準優勝はガロ、3位にはフトゥーロが入り、3位までを関東が独占した。関東リーグの上位3チームがこの大会に参加できる権利を得るので、全チームで独占したことになる。いかに関東リーグが当時は力が抜きんでていたかわかる。ガロは、大量に選手が入れ替わったにもかかわらず、予選ブロックではファイルフォックスを3-1で破り、1位通過を果たす健闘を見せた。しかし、皮肉なことにガロにとっては、この大会の成績がピークで、以降は厳しい戦いが続くのであった。

 さて、お宝写真は、ようやくカスカベウと府中アスレティックが都リーグから関東リーグに昇格するきっかけにもなった東京都フットサルチャレンジ2002の優勝、準優勝の集合写真としよう。注目は、早くも移籍した稲田、三輪、古庄、伊藤淳が映っていることである。都リーグでも、関東リーグ参入戦でも同じ順位であった。しかし、両チームが同時に関東リーグに昇格したところが意義深い。

 残念ながらFリーグ設立時は同時参入とはならなかったが、もしこの時、両チームが関東リーグ同時昇格を果たさなかったら、その後の競技フットサルの歴史は加速しなかったであろう。結果的には、強豪チームは2003年の第4回関東リーグからシャークスを除いてほぼ寄せられた形になり、スーパーリーグは2003年の第3回をもって終焉を迎えることになった。

 最後に、2003年までの関東リーグ、スーパーリーグ、地域チャンピオンズリーグの優勝チームを振り返ってみよう。

2000 第1回関東リーグ プレデター、ガロ同時優勝
2001 第2回関東リーグ 小金井ジュール優勝
第1回スーパーリーグ カスカベウ優勝
第1回地域チャンピオンズリーグ 小金井ジュール優勝
2002 第3回関東リーグ ファイルフォックス優勝
第2回スーパーリーグ カスカベウ優勝
第2回地域チャンピオンズリーグ ファイルフォックス優勝
2003 第4回関東リーグ カスカベウ優勝
第3回(最終スーパーリーグ)シャークス優勝
(スーパーリーグは以降、関東リーグに統合)
第3回地域チャンピオンズリーグ カスカベウ優勝

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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