2015.08.20 Thu

Written by EDGE編集部

全国大会

【バーモントカップ】初優勝のブリンカールFC・古居俊平監督「いろんな人から愛知を見てもらえたら嬉しい」

写真:本田好伸

優勝候補筆頭と呼ばれた中で、見事に初優勝を勝ち取った。「バーモントカップ第25回全日本少年フットサル大会」を制したのは、Fリーグ王者・名古屋オーシャンズのホームであり、2020年フットサルW杯の開催地にも立候補している愛知県代表のブリンカールFCだった。「いろんな人から愛知を見てもらえたら嬉しい」と語った。
(文・本田好伸)

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古居俊平監督(ブリンカールFC)

――ようやく手にした初優勝です。

フットサルで全国で優勝しようと目指して頑張れるのがこの大会で、ファイナリストに残れて最後までこうしてフットサルをできたことが非常に嬉しいです。そのなかで優勝をつかめたのは子どもの成長に尽きるので、我々が感謝していますし。彼らにありがとうといいたいです。

――今大会は優勝候補筆頭だと、非常に注目を集めていました。今年は特に強いぞと。

僕らとしてはそんな感覚は少しもなくて、周囲からはそう言ってもらっていましたが、僕らには足りないところがたくさんあって、こうしないといけないとかああしないといけないって、子どもたちと試行錯誤でやってきて、周囲から評価を受けていましたが、僕らとしてはまだ全然でした。そういったなかで、大会を通じていいプレーをするにはどうするかということだけを考えてやってきた。今回、予選の最初の2試合はいつも通りのプレーができなかった。その苦しい戦いのなかで選手たちが学んで、予選グループを勝ち抜いて選手がどんどん成長していった姿が非常にたくましくて、うれしかった。子どもたちの伸び代を非常に感じる大会で、優勝は本当に彼らの積み重ねと経験と、やってきたことが実った結果だと思います。本当に素晴らしいですね。

――今大会に向けて何か特別なことをしてきたとかはありますか?

逆に今まで通り、1対1の駆け引きや技術をグループのなかにどう落としこむかということをずっとトレーニングでやってきたので、それが全国大会に入ってできなくなってしまいました。それが前評判をもらうなかで、負けたくないという強い気持ちが出てしまったためにリスクを冒せずに、自分たちの攻撃力、ドリブルを仕掛けるとか、裏に抜ける、シュートに持って行くとか、その1対1の個の駆け引きに弱気になっていました。それが予選の2試合が終わって3試合目に入るときに、自分たちの戦いを戻した。1対1で仕掛けて、2対1を作って、そこからゴール前まで積極的にアグレッシブにいこうとやれたことが、この結果につながったのかなと思います。特別な練習は何もしていません。大会を通じて成長したのかなと。

――2戦目はまさかの敗戦でした。

そうです。あれで子どもたちも、「俺たち、何をやってきたんだろう」ってことで、後ろどんどんアグレッシブにチャレンジしていこう、前の選手もゴールに果敢に攻めていこう、2対1、3対2の状況を作ろうってことで後ろからどんどん追い越していく形ができた。それで決勝ラウンドでも同じような戦い方ができたので、子どもたちが自分たちで、予選の敗戦に学んで、変われたのが大きい。だからあの負けがなかったら優勝はなかったと思っています。あの負けで選手は一度涙を流しているんです。それでなんとかもっと戦いたいというなかで、ワイルドカードを狙う第3戦は得失点も関わってくるのでたくさんゴールを奪わないといけないというなかで、こういう道をつかんだのでよかったです。

――メンバーは勝ちあがるにつれて中心は先発の4選手に偏ってきました。そこはもっと出したいという気持ちもあったのではないでしょうか。

そうですね。ベンチのメンバーも含めて。今回は5年生が2人入っているんですけど、なんとか経験を積ませてあげて、彼らが6年生になったときに生かして、また成長してほしいと思っていました。今回先発で出ていた4人のうちの3人は、昨年の全国でも出場していたんです。さらに2人はレギュラーでずっと出ていた選手なので、それも大きくて今回、勝つことができたのかなと思います。それで実際に、6年生の子が頑張ってくれたので、準決勝では5年生2人を出すことができたので、それでチームとして一丸となれるきっかけにもなったかなと。できれば毎回、フルでメンバーを出したかったんですけどね。そこは出なかったメンバーも、今後につなげてくれたらいいと思います。

――9番の坪谷(至祏)選手は、途中相手GKとの接触で頭部を出血して退くというトラブルもありましたが、みんなその影響を感じさせずに慌てずにやれていました。

そうですね、そこで変わって出た選手も、日頃のトレーニングやトレーニングマッチなどでも交代しながら結果を出せていたので、出れない選手は悔しがっていた分、なんとか出て頑張ろうという気持ちでいてくれました。チャンスをもらった平岩(航汰)も、最後に彼からの折り返しで3-2から同点に追い付くゴールが決まったりとかもあったので、それもうれしかったですよね。チーム一丸となって、それぞれがベストを尽くしてくれたことで結果も出たのかなと。結果だけを求めていたわけではなく、全国ではベストを尽くそうと話をして、どれくらい力を出せるのか、技術があるのか、駆け引きがうまいのか、戦えるのかを試そうと。その結果が、全国優勝ということで、本当に嬉しいです。

――ラスト1分の相手のFKで「これを止めたら勝てるぞ」って言っていて……。

決められちゃいましたね(苦笑)。僕らはいつも、ポイントとなる勝負所で弱かったりしたので、僕らはあそこで決められて負けちゃうかななんてよぎったんですけど、選手自身がそうではなかった。GKの武井(将希)が顔面セーブをしたり、それで流れも引き寄せて、しのいでワンチャンスを決めることができました。

――愛知にとっても、「フットサルどころ」という認識が高まっていますよね。2020年のW杯の招致の話もありますし、これでまた一つ起爆剤になりそうですね。

そうですね。僕らはもともと2020年にフットサルW杯が愛知県にくるとなった場合にも、そうした盛り上がりが必要だと思っていました。地元自体がそこまでまだ盛り上がっているわけではないので、しっかりと招致できて、それでこういった形で全国優勝が愛知県に来て、いろんな人から愛知を見てもらえたら嬉しいですよね。それで環境がもっとよくなって子どもたちが、サッカーでもフットサルでもできる環境がもっと整ってくれることを願っています。

――1月のU—15フットサルでは、地元開催で準優勝でした。そのリベンジのような思いも。

そんなつもりも全然なくて(笑)、ここまで来たことがすごい評価ではあって、あとはもう大会を楽しもうとずっと話していました。楽しく、自分たちのベストを尽くそうと。だから変な気負いや慌てることはなかったですし、やられちゃったら、それでやられちゃうんだよなってことをまた確認したり。ただ、本当にすごいなって思うのは、彼らが、ギリギリの場面で同点に追い付いたり、逆転したりするところ。僕らが驚きでした。それを見れたことが嬉しいですね。

――選手は普段はサッカーをしている子たちなんですよね。

そうです。別の所属チームがあって、フットサルはブリンカールでやっているという感じです。なので、この先はまたサッカーに集中的にやっていきます。フットボールファミリーのなかにフットサルがあると思っているので、彼らにはサッカーを主にまた頑張ってほしいですし、この狭いピッチのなかでできたことをまたサッカーにも生かしてもらいたいなと思っています。

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