2015.07.08 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第3章「その5:勝てないカスカベウ……最強軍団がハマったトンネル」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 日本トップクラスの人気と実力を誇りながらも、ここぞというところで勝てず、2年連続で全日本選手権出場を逃してしまったカスカベウ。そこから、カスカベウは勝てない時期を過ごすことになる。

第2章「その9:カスカベウの野望を打ち砕いた“雑草軍団”ウイニングドッグ」

 2000年5月、第2回のFDCカップが開催された。前回と同じ山中湖スポーツセンターで決勝大会が行われたが、決勝戦はなんとカスカベウ対ウイニングドッグであった。昨年末の選手権関東予選以来の再戦で、またしてもウイニングドッグが3-2の粘り勝ちで優勝を飾る。まだ、カスカベウの傷は癒えていない。

 続く2000年6月、コパジャル2000が開催された。コパジャル(JALCUP)は以前紹介した日本人チーム対日系ブラジル人チームが対決する大きな大会に成長した。関東の出場チームはカスカベウ、ファイルフォックス、ウイニングドッグ、ガロ、プレデター、それとフットサル世田谷、キューピーなどである。

 フットサル世田谷は以前紹介した施設の名前が冠のチーム、キューピーは第2回の関東フットサルリーグに参入の千葉のチームでのちに柏フットサルクラブRAYOとなる。選手には小竹洋一、亀井靖之、丸太洋輔などの千葉県選抜を擁していた。東海、関西勢では、MINATODANI、アスパなどが出場した。

 対する日系ブラジル人チームは、イパネマズKOWA(前回優勝)、CIBRASIL(リガ天竜1部)、FujiNippon(リガ天竜2部)などである。CIBRASILは、今回特別に日本人チームのMAGと合同チームで参加した。MAGはのちに関西からスーパーリーグに参加するほど精力的にチーム強化に取り組み、藤井健太、鈴村拓也(現デウソン神戸)、丸山哲平(のちに名古屋オーシャンズ)などを擁して、ついには関西の雄となり、シュライカー大阪へと発展するチームである。カスカベウは昨年2位であったし、ファイルフォックスやほかにも関東、関西の強豪チームが出るだけに是非勝ちたい大会であった。

 しかし、結果は、昨年に続いてイパネマズKOWAが優勝、2位にカスカベウ、3位はファイルフォックスであった。カスカベウは、いつもの甲斐、市原、相根、遠藤を擁するものの今回は前田を欠いたことと、2日間の試合を10人で回さざるを得なかったこと、監督がいないなどの弱点が浮き彫りになった大会であった。

 MVPはリカルド比嘉、ベスト5にはダニエル大城、難波田、甲斐、ゴールキーパー定永が選ばれた。またしてもカスカベウは勝てなかった。また、残念ながらというべきか、予選ブロックの組み合わせの都合でカスカベウ対ファイルフォックスの対戦も実現してない。以降、運命の第6回選手権まで両者は対戦することはなかった。なぜなら、本来なら対戦するはずの都リーグには手続きの関係でまだカスカベウは参入していなかったからである。

 さて、お宝写真は、主催者のマリオ安光から提供頂いたリカルド比嘉、難波田、ダニエル大城の表彰の写真である。

 比嘉については、つい最近までヴォスクオーレ仙台の監督を務めるなどしてお馴染みであるが、ダニエル大城はどうしているのだろうか。兄のエジバウドと群馬県大泉にブラジルフットサルセンターなるコートをオープンして、日本人にブラジルフットサルをもたらす貢献をしたことは紹介した。

 実をいうと筆者は、2003年1月、フットサル日本代表のブラジル遠征を応援にいったとき、すでにブラジルに帰った彼を尋ねたのであった。サンパウロから車で約1時間、北へ向かったところにスザノ市(SUZANO)があるが、そこで日本人留学生を預かるフットサルスクールを開いていた。屋内コートを持ち、留学生を近くのマンションに留めて、熱心に指導していたことを思い出す。

ダニエルロペス

もう1枚の写真は、筆者が撮影した彼が日本代表対ブラジル戦を観戦に来たときの写真である。隣にいる人物は、日本に帰化し、サッカー日本代表にもなった呂比須ワグナーである。今、ダニエル大城はどうしているのだろうか。

 さて、イパネマズKOWAはその後も5連覇を達成、日本人チームで優勝は女子の方が早く、2002年の第5回大会にパラレッズが優勝している。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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