2015.05.22 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第2章「その2:ラモス瑠偉が出場した第1回アジア選手権」

写真:中村恭平

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

 1999年2月になると、もう一つの大きな大会に向けてフットサル界が動き出した。それは、第1回のアジア選手権の日本代表選考であり、3月5日からマレーシャのクアラルンプールで開催される第1回のアジア選手権である。

 1ヶ月前に行われた第4回選手権が選考の場になり、監督は元JSLフジタのちにトヨタのマリーニョ、コーチに目黒FCで元浦和レッズの須田、ファイルフォックスからはキーパーの定永、エスポルチ藤沢から同じくキーパーの金澤、フィールドはファイルフォックスから上村、府中水元クラブから中村(俊)、エスポルチ藤沢から市原、相根らが選ばれた。

 アスパからは藤井と原田が選ばれ、グレートホッチポッチから安藤が選ばれている。グレートホッチポッチは、第3回選手権では鹿屋体育大学サッカー部で出場していた卒業メンバー中心で構成されたチームで、第4回選手権では3位になっている。なお、ファイルフォックスの前田、府中水元クラブの難波田も選ばれたが怪我で辞退した。

 あらためて記念すべき第1回のフットサル日本代表を紹介しよう。(所属はいずれも当時)

監督:マリーニョ
コーチ 須田芳正(目黒FC)
選手:
GK 定永久男(ファイルフォックス)
GK 金沢信二(エスポルチ藤沢)
GK 若林孝治(清水市役所)
FP ラモス瑠偉(元Jリーガー)
FP 安藤信仁(グレートホッチポッチ)
FP 原田健司(アスパ)
FP 向薗泰洋(NTT九州)
FP 市原誉昭(エスポルチ藤沢)
FP 上村信之介(ファイルフォックス)
FP 相根澄(エスポルチ藤沢)
FP 中村俊仁(府中水元クラブ)
FP 藤井健太(アスパ)

 ところでなんといっても特筆は、元Jリーガーのラモス瑠偉がマリーニョ人脈から選ばれ、出場したことである。このことは、のちに何度となくフットサル界とJリーグとの関係が議論されるきっかけとなった。

 結果であるが、日本はカザフスタン、マレーシア、ウズベキスタンと同組のB組に入った。A組は強豪イラン、タイ、キリギスタン、シンガポール、韓国である。予選リーグは、1勝2分けで辛うじて2位で決勝トーナメントに進出できた。しかし、決勝トーナメントはA組1位のイランに2-5で敗戦、3位決定戦でもカザフスタンに2-2からPK戦で敗れ、4位に終わった。

 残念ながらラモス効果は発揮できなかった。実は、この大会はグアテマラで開催予定の第4回FIFAフットサル世界選手権のアジア予選を兼ねるはずだったが、決定は都合により次回に持ち越された。結果的にもう一度日本はチャンスを得ることができた。(3位までが世界選手権に出場できる)

 ちなみに、対戦成績と得点者を紹介する。藤井が7得点と大活躍、ラモスも2得点と存在感を示した。

・予選リーグ

マレーシャ<5-5> △ 藤井3、中村、上村
カザフスタン<4-1> ○ 藤井、安藤、ラモス、相根
ウズベキスタン<5-5> △ 藤井2、市原2、上村

・決勝トーナメント
イラン<2-5> ● 中村2
カザフスタン<2-2>(PK3-4)● 藤井、ラモス

 戦い終わってからの巷の評価は、強豪イランに2-5と敗れたものの予想したほど大差ではなく、3位決定戦もPK負け、これならば次回は3位には入れるだろうくらいの楽観論があった。結果的にはそれが命とりにあるのだが……。

 ちなみにサッカー日本代表サポータで有名なウルトラス ニッポンの植田朝日もラモスつながりか、現地で応援をしていた。植田はのちにボンボネーラ、ボカならぬバカジュニアーズなどのフットサルチームを立ち上げ、少なからずフットサル界に影響を及ぼした。

 ところで、当時のアジア選手権は日本のフットサル界にとってどんな位置付けだったか語っておく。2008までは毎年開催されていたアジア選手権、2010年からクラブ選手権が始まったため、1年おきになった。アジアNO1を決める国同士の大会であるが、4年に1度のワールドカップ開催の時はアジア枠の代表を決める予選大会でもある。ちなみに来年2016年は、そのワールドカップのアジア予選を兼ねる大会で、2月にウズベキスタンで開催される。

 今回のお宝写真は、当然ながら記念すべき第1回アジア選手権の代表メンバーの集合写真である。(提供:中村恭平氏)

 中央にキャプテンマークを巻くラモス、向かって右から安藤、市原、2列目中央に原田、後列左から藤井、相根、中村、上村らの今でいうレジェンド達が映っている。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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