2018.05.08 Tue

Written by EDGE編集部

コラム

フットサル選手として、ママとして--。“なでしこ5の闘将”小村美聡が示す、女性アスリートの生き方。

ママさんでも、続けられる

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 4月16日に発表された、5月2日から始まる第2回AFC女子フットサル選手権タイ2018に臨む女子代表のメンバーリストに「小村美聡」の名前があった。「やるからには世界と戦いたいし、(もう一度)代表を視野に入れている」。そう話していたのは、今年1月のことだった。小村はその舞台に戻ってきたのだ。

「代表は移り変わっていくけど、今までの代表がなくなるわけじゃない。クラブと同じで積み上げていかないといけない。若い選手にできることもあるけど、できないことがあるからこそ、私にはそこを埋めることができると思う。融合は簡単ではないけど、そこがうまくできてチームが覚醒できたら結果も出るはず。いろんなチームと戦う中で感じてきたことを伝えたいし、私自身の、世界を目指すという目標がブレることはない」

 彼女がそう話していたように、木暮賢一郎監督も小村にその役割を求めている。

「選手のメンタリティーやフットサルのプレーモデルは、過去、現在、未来とつながっていくもの。そうした意味でも、現在から未来へつなげていく女子フットサル界の重要なチャレンジ。メンバーの選考基準の一つは、過去にアジアのタイトルを獲得した経験であり、恵まれない環境でも当時の監督や選手は『アジアの頂点に立つ』という強い気持ち、覚悟を持って成し遂げた。そういう時代を知る選手が必要だと考えた」

 重要なのはキャリアであり、その間に培ってきたメンタリティーだ。木暮監督は技術はもちろんのこと、小村のそうした要素を純粋に評価してメンバーに選んだ。「出産から復帰したママさん」だからではない。

「出産後、競技を続けることは難しい」

 その言葉を、こう変えてみたらどうだろうか。

「負傷後、競技を続けることは難しい」

 その度合いによって、選手生命が危ぶまれるかもしれないし、ケガによって以前のようなプレーができなくなるかもしれない。出産も同じだ。特別なことだが、よくあることでもある。女性アスリートを支援する風潮や具体的な活動は重要で、この先も継続していく必要があるだろう。だが、大事なのはそこじゃない。

「ママさんでも、続けられる。続けていいんだ」

 そうやって声高に言うのではなく、出産からの復帰が、ケガからの復帰と同じように当たり前のものとして受け入れられるようになることだ。仕事と家庭、育児、競技を並存させるママさんプレーヤー。そんな小村の代表復帰は本当にすごい。だが近い将来、そんな姿は“普通のこと”になっていくかもしれない──。

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