2017.11.05 Sun

Written by EDGE編集部

コラム

なぜイゴールは大会前日にAFCのメンバーから外れたのか? 「帰化選手の登録に必要な書類が認められなかった」

写真:北健一郎

11月4日にスタートしたAFCフットサル選手権2018の東アジア地区予選で、日本代表はモンゴル代表に5-1で勝利して大事な初戦を突破した。だが、その裏では大きなアクシデントに見舞われていた。 GKイゴールのAFCへの大会登録が認められず、モンゴル戦はGKが1人しかいない状況で臨むことになったのだ。試合終了後、JFAを代表して小森隆弘フットサルサブテクニカルダイレクターから説明があった。
(取材・文 北健一郎/futsalEDGE編集長)

AFCへの提出書類が認められず

 11月4日にスタートしたAFCフットサル選手権2018の東アジア地区予選。キックオフ直前に衝撃的な事実がわかった。

 イゴールが登録メンバーに入っていない--。

 初戦のメンバーリストにはGKイゴールの名前がなかった。それだけではない。イゴールの名前はメンバー外の選手のところにすらなく、代わってタイには来ていないはずの「矢澤大夢(フウガドールすみだ)」の名前があったのだ。

 キックオフとほぼ同時に日本サッカー協会から発表されたリリースで、イゴールに代わって矢澤が追加招集されたことが発表された。そこには、メンバー変更の理由が記されていた。

「理由:AFCに大会登録が認められなかったため」

 イゴールが日本国籍を取得したのは2016年1月。4月には木暮賢一郎暫定監督のもとで日本代表デビューを果たしていたが、AFCの公式戦に登録されるのは今回が初めてのことだった。

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 モンゴル戦の試合後、ブルーノ・ガルシア監督の通訳として帯同している小森隆弘フットサルサブテクニカルダイレクターより、今回の経緯についての説明があった。

--なぜイゴールの登録が認められなかったのか。

詳細なやり取りについてはハッキリするまで難しいんですけど、簡単にいうと帰化選手の登録に必要な書類があるんですが、それが認められなかったということです。

--大会直前でわかった?

本当に直前、昨日の夕方です。

--何が認められなかったのか教えてほしい。

これまでの(ブラジル時代の)代表歴(がないこと)を示す書類です。CBFS(ブラジルフットサル連盟)からは取り寄せていましたが、CBF(ブラジルサッカー連盟)からのものが必要だと。そういうやりとりを、(JFAが)どれぐらい前から(AFCと)やっていたのかは把握していないんですけれども。

--これまでは大丈夫だったのに今回はダメだった?

年々(AFCの)そういうケースへのバリアが上がっているようです。過去にはなかったのに(今回は)引っかかった。他の国でも、サッカーでも同様の例があるそうです。

--何が要因だったのか。

前例がなかったことや時間的にタイトだったことでCBF(ブラジルサッカー協会)を責めるわけにもいかないし、AFCの解釈が厳しくなっていたことに対応できなかった。

--追加招集の矢澤はいつから合流する?

目算としては明日の午前中からです。今夜到着します。

--イゴールは日本に帰るんですか?

いえ、残ります。

--今回はあくまでも書類上の問題であって、イゴールの日本代表としてのAFC大会出場の可能性が断たれたわけではない?

もちろんです。

--イゴールはショック受けていませんか?

それは……。ただ彼は立派なアスリートなので、チームの力になるメッセージを与えたい、悲しいけれど、そういうスタンスでいたいと言っています。

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 現時点ではAFCとの交渉の経緯や、必要な書類の内容など詳細については不明なところもある。とはいえ、メンバー登録できない可能性が残されていたのであれば、最初から矢澤をバックアップで連れていくという選択肢もあったのではないか。

 ましてや、今回はGK2人体制で臨んでいる。イゴールが登録が認められず、追加招集の矢澤も合流していないモンゴル戦で、もしも関口に怪我や退場などアクシデントがあれば、本職のGKが1人もいないという緊急事態になっていた。

 モンゴル、マカオ、台湾という対戦相手を考えれば、仮にGKがいなくなったとしても、パワープレーをずっと行えばいいだろう。ただ、AFCフットサル選手権の本大会出場という目的を果たすためのリスクマネジメントとしては課題が残る。

 モンゴル戦、日本代表の選手たちはゴールが決まるたびにスタンドに向けてガッツポーズを繰り返していた。その視線の先にはスタンドで試合を見守っているイゴールの姿があった。

 試合後には、スタッフの1人としてチームバスへの荷物運びを率先して行っていたイゴール。試合に出たくても出られない仲間の気持ちも背負って、日本代表は残り2試合での必勝を誓う。

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