2017.11.02 Thu

Written by EDGE編集部

インタビュー

【独占インタビュー(2)】「強度の高さと戦術的な集中力」ブルーノ・ガルシア監督が日本代表に要求する2つのこと。

写真:本田好伸

2016年10月、フットサル日本代表の新監督に就任したのは、スペイン生まれの43歳、ブルーノ・ガルシアだった。就任から1年が経ち、ブルーノ監督率いる日本代表はA代表として初めての公式戦となるAFCフットサル選手権の東地区予選に挑む。日本の再建を託された指揮官は、日本フットサルの現状をどう見ているのか。独占インタビューを全3回に分けてお届けする。
(取材・文 スティーブ・ハリス)

最初から最後まで“主人公”を演じるチームにしたい

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【独占インタビュー(1)】「日本代表には“空白の世代”がある」日本代表ブルーノ・ガルシア監督が描く再建プラン。

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——ブルーノ監督が日本代表に浸透させようとしているコンセプトを教えてください。

「フットサルの方法論としてはミゲル・ロドリゴ監督と変わりませんが、スタイルは異なります。私がイメージする日本代表は、試合の最初から最後まで“主人公”を演じるチームです。攻撃の時はボールを大切にし、失った時にはハイプレスで奪い返す。どんどん1対1を仕掛けることも要求したい。“主人公”になるということは、試合のあらゆる局面においても支配的な状況を絶えず保つということです。それは攻撃も守備も、トランジション(攻守の切り替え)も、セットプレーにおいても、です」

——あなたが目指すスタイルで、お手本になるチームはありますか?

「たくさんあります。私が率いていたベトナム代表はそういうチームだったと思います。あるいは、さかのぼれば、ワールドカップで2000年から2012年までの優勝と準優勝をそれぞれ2回ずつ果たしたスペイン代表もそうだったし、昨年のワールドカップを制したアルゼンチン代表も良い例です」

——日本代表の選手たちに特別に要求していることはあるのでしょうか。

「強度の高さと、戦術的な集中力。この2つを要求しています。先ほども言ったように、我々が目指しているフットサルの特徴は、激しい前からのプレスでボールを早めに奪い返し、ポゼッションで数的優位を作ることです。また、ボールを失えば守備態勢を一刻でも早く整えることも必須です。そのためには、ただ走るだけでなく、戦術の約束事を守りながら動かなければいけないので、フィジカルにもメンタルにも大きな負荷がかかります。だから、1回のプレータイムは3〜4分が限界になるのです」

 筆者は個人的に親交のある2人の監督に、アジアインドアゲームズでのブルーノ監督のフットサルの印象を聞いてみた。2人のコメントからは日本代表の新たなスタイルが浮かび上がってくるだろう。

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谷本俊介監督/府中アスレティック FC「就任会見で『主人公を演じるチームにしたい』と言っていましたよね。要はボールを持っている時間を長くする。そのために、ボールを持っていない時、守備の時間でプレッシングをして、なるべく早く奪い返す。その言葉通りのフットサルをしていたなという印象です。若い選手はスピードがあるので、ブルーノのフットサルをより表現しやすかったのかもしれません」

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プルピス監督/タイ代表「印象的だったのは、セットプレーのバリエーションが増えていたことです。全てにおいて速いなと。相手がまだ戻らないうちにゴレイロがロングスローでカウンターを狙う場面も見られました。遅攻の組み立てにおいても3-1と4-0のシステムを使い分け、効果的なブロック、スクリーンで縦パスのコースを開けることでチャンスを作っていました」

——個人的にはアジアインドアゲームズの大会前は、正直言ってあまり期待していませんでした。他国がフル代表を結成して参加している中で、U-25代表ででもフタを開けてみれば、U-25代表の選手たちはとても質の高いプレーを見せてくれて驚きました。

「その通り、U-25代表の選手たちは、私の要求するものを出してくれたと思います。守備でも切り替えの早さもセットプレーも、要求した通りでした」

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【筆者プロフィール】
スティーブ・ハリス(Steve Harris)
アメリカ・カリフォルニア州出身で現在は東京都府中市に在住。日本フットサル連盟創設時の理事の一人であり、日本フットサル界の成長を30年近くに渡り見守り続けている国内屈指の論客。世界的フットサルサイト「Futsal Planet」にも寄稿する。
ツイッターアカウント:@futsal1958

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