2017.08.30 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

【ここがヘンだよ日本フットサル】「U-25」という謎のカテゴリー。日本代表は本当に強くなろうとしている?

スティーブ・ハリスという人物をご存知だろうか? 日本フットサル連盟創設時の理事の一人であり、日本フットサルを30年近く見守りつづけているアメリカ人ジャーナリストである。世界的フットサルサイト「Futsal Planet」にも寄稿し、世界のフットサル事情にも精通するハリス氏による不定期連載コラムをスタートする。
(文・スティーブ・ハリス)

ミゲルジャパンの教訓が全く活かされていない

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 日本のフットサルには世界でも例を見ないカテゴリーのチームが存在する。それが「U-25日本代表」である。はて、U-25の国際大会など、世界のどこを探してもないはずなのだが……。

 FIFAのU-20世界選手権(ワールドユース、現U-20W杯)が創立された1977年以来、サッカー界の諸々の国際大会で定着した年齢区分。フットサルもその道を歩んでいるのは周知のとおりで、2018年度のユースオリンピックでのフットサルの正式種目化に伴い、その予選を兼ねてAFCのU-20選手権も今年5月に行われた。

 そんなU-20選手権が終わった直後、「U-25フットサル日本代表」が何の脈略もなく表れた。Fリーグでプレーする25歳以下の選手を集めて「FUTSAL KOBE FESTA 2017」に出場。6チーム中5位という結果に終わった。

 同じ「KOBE FESTA 」に出場したクロアチア代表も「U-25」と銘打って来日したものの、選手名簿に記載してある生年月日を見ると25歳以上の選手が過半数を占めていた。つまり、「U-25で参加してほしい」という日本側からの無茶な注文を当のクロアチア側が軽くスルーしたということだろうか。元々ありもしないカテゴリーに対し、招待される側が困惑しても無理もない。

 先日発表された、9月にトルクメニスタンで行われる「アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ」の日本代表は、ほとんどが「KOBE FESTA 」に出場した選手だったので、当初からこの大会への出場を目的にして結成されたのは想像に難くない。

 U-25代表というのは、今後「A代表」としての活躍が期待される「B代表」という位置づけだろう。そうした選手たちに国際経験を積ませるという狙いはわかる。とはいえ、Fリーグではミゲルジャパンの選手たちが今も立派に活躍しており、大幅な選手の入れ替えは考えづらい。その中で数少ない国際大会を「B代表」で戦うことに、どれほどの意味があるのか。

 例えば、タイ代表ならB代表の構想は大いにありうる。国際試合がめったにないと日本代表と違って、タイ代表する面々は年がら年中、多数の国際大会で引っ張りだこ。東南アジア選手権、東南アジアクラブ選手権、東南アジア競技大会、アジアインドアゲームズ、4か国招待大会「タイランド5」など、タイの代表クラスの選手たちは自国リーグで揉まれながら、各国を飛び回っている。

 だが、残念ながら日本代表は国際試合の経験が圧倒的に不足している。

 ワールドカップ予選の失敗の主因には、準備期間中における公式戦の少なさが挙げられる。真剣勝負をしなかった“温室育ち”のミゲル・ジャパンが本大会をぶっつけ本番で臨んだため、一度つまづいたら立ち上がれなくなった。

 脆弱性を生んだ怠慢な姿勢を大いに反省すべきなのに、今年度(2017年度)のJFAの年間計画を見ても、その反省がほとんど活かされていないのは、信じがたい事実である。

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フットサルに異常な力を入れるライバルに対して……

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