2016.09.27 Tue

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【検証レポート】オールスターの投票結果で浮き彫りになったクラブ間の”人気格差”と”SNS力”。

前回は、Fリーグのセントラル開催の観客数の少なさについて検証した。その答えの一つとして、「経営感覚に優れるフットサル界の真リーダー待望論」なるものを示したが、それに加えて、各クラブの人気が伸び悩んでいることも、リーグが飛躍的に向上していかない大きな理由だろう。各クラブが、あらゆる創意工夫を重ねていることは理解しつつも、なかなか好転しない現状を見る限り、さらなる努力が必要なのは間違いない。その活路を見出す手段とはいったい何なのだろうか。コラムの後編は、各クラブが、いかにして人気向上を目指していくべきなのかを考えていく。
(文・本田好伸)

オールスターのファン投票で見えてきたこと

 コラムの前編では、入場者不足に端を発する問題を示しながら、「Fリーグに未来はあるのか?」を考えた。結局のところ、Fリーグを未来へと導くリーダーの存在こそが必要だというところに行き着いたが、すべてを「リーグのせい」にして止まっているわけにはいかない。Fリーグが先導し、セントラル開催の入場者数を増やしていくことはもちろん大切だが、それと同時に、各クラブが地域に根差してフットサルファンを獲得し、人気向上に努めていくという視点も忘れてはならない。
 本コラムの後編は、各クラブがいかにして人気を獲得していくべきかを考える。

 まず、何をもって「人気」とするのかだが、これは当然、リーグの順位で決まるものではない。お客さんが支払うチケット代金の対価として、興奮、高揚、喜び、感動、充足など、何かしらの満足感や幸福感などを高次元で与えられるのであれば、それは間違いなく人気の高いチームだと言えるだろう。それが引いては、ホームゲームの入場者数、ファンクラブの会員数、グッズの売上げ、ホームページのページビュー、それにSNSのフォロワー数といった具合に、数字となって現れる。そしてその数字を、リーグのなかで相対的に見たときに初めて、各クラブの人気を比較、判断することができる。というわけでここでは、数字ありきで話を進めていこう。

「各クラブはどのように人気を高めていくのか」を考える上で、最近、図らずも見えてきたことがある。今シーズン、10月8日に初めて「Fリーグ10周年記念 オールスターゲーム supported by DUARIG」が開催されるが、その出場選手を選ぶために初めて行われたファン・サポーター投票の結果、選出された選手の数は、クラブ間で大きな隔たりがあった。
 まずは選手選出方法を見てもらいたい。

①各クラブ、得票数が最も多い選手を選出する。
②F-EAST、F-WESTそれぞれ、得票数上位のGK2名を選出する。
但し、①の選出において、GKが1名または2名選出されている場合は、この限りではない。
③残りの出場選手枠は、所属クラブに関わらず、得票数上位のFP選手から順に選出する。

 そして、選出された選手は以下の通りだ(監督とコーチは、リーグ上位4チームから選ばれている)。

F-EAST
監督 岡山孝介(ペスカドーラ町田)
コーチ 須賀雄大(フウガドールすみだ)
GK 藤原潤(バルドラール浦安)
GK ピレス イゴール(ペスカドーラ町田)
FP 水上玄太(エスポラーダ北海道)
FP 狩野新(ヴォスクオーレ仙台)
FP 太見寿人(フウガドールすみだ)
FP 清水和也(フウガドールすみだ)
FP 西谷良介(フウガドールすみだ)
FP ボラ(フウガドールすみだ)
FP 皆本晃(府中アスレティックFC)
FP 甲斐修侍(ペスカドーラ町田)
FP 滝田学(ペスカドーラ町田)
FP 森岡薫(ペスカドーラ町田)

F-WEST
監督 ペドロ・コスタ(名古屋オーシャンズ)
コーチ 木暮賢一郎(シュライカー大阪)
GK 上原拓也(湘南ベルマーレ)
GK 関口優志(名古屋オーシャンズ)
FP 久光重貴(湘南ベルマーレ)
FP ロドリゴ(湘南ベルマーレ)
FP 浦上浩生(湘南ベルマーレ)
FP 銀島壮志(アグレミーナ浜松)
FP シンビーニャ(名古屋オーシャンズ)
FP 安藤良平(名古屋オーシャンズ)
FP ヴィニシウス(シュライカー大阪)
FP 加藤未渚実(シュライカー大阪)
FP 原田浩平(デウソン神戸)
FP 仁部屋和弘(バサジィ大分)

 複数選手が選ばれているのは、すみだ(4人)、町田(4人)、湘南(4人)、名古屋(3人)、大阪(2人)の5クラブである。全クラブから1名以上の選出は確定しているが、2人目以降は得票数の上位から選ばれるため、F-EASTはすみだと町田、F-WESTは湘南と名古屋に、特に偏った投票数だったことが分かる。ちなみに、リーグから発表されている最終有効投票数は20147票である。

 もちろん、これで人気が明らかになったわけではなく、この結果から推測されるのは、フットサル界においてもSNSの活用が非常に有効ではないかということである。上位に名を連ねたすみだ、町田、湘南の3チームは特に、主にTwitterを用いて締め切り直前まで投票を促す投稿を繰り返し、ファンに向けて参加を呼び掛けていた。また、中間発表で湘南の3人目にも入っていなかった久光重貴が選出されているが、これも直前のSNSでの呼び掛けに、ファンが反応したものと思われる(湘南にとっては、投票最終日でもあった9月3日、4日の小田原セントラルの会場、小田原アリーナでの直接投票が可能だったことで、地元ファンの囲い込みに成功したということも考えられる)。
 いずれにせよ、今回の試みによって、SNSの投稿のリアクションをダイレクトに感じられたクラブがあることは間違いないだろう。

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SNSのフォロワーはリアルな観客

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