2016.09.02 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第15章「その2:須賀雄大、清野潤、大場徹。関東リーグを活性化するニューリーダーたち」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

新生関東リーグ

 2010年5月22日、奇しくも新生日本代表が第11回アジア選手権に臨もうとする前の日、第12回関東リーグ1部開幕節が開催された。場所は寒川総合体育館であった。

 関東リーグ1部もFリーグが出来てから3年目、新しい動きが出てきた。

 まず、今シーズンよりコロナが復帰、ゾットと同じリーグとなったことである。ゾットは、2004年の第6回関東リーグで1部に昇格したものの1シーズンで降格してしまった。そして、2009年第11回から復帰している。

 一方、コロナは、2006第8回で昇格、しかし、2008年第10回で降格してしまった。なんと、その時の入れ替え戦の相手がゾットであった。そして、今回第12回、2部で優勝、1シーズンで復帰である。

 つまり、両チームはすれ違ってしまい一緒のリーグになるのは、今回が初めてということになる。両チームは、早稲田、法政のサッカー同好会から発展したチームで、今までにない新しいタイプのチームということになる。

 そういう意味では、フウガも大学ではないが、都立駒場高校と暁星高校のサッカー部OBが合体したチームで、学生チームが原点である。そして、ゾットとフウガも入れ替わるような降格と昇格があり、この3チームが同じリーグになるのはこのシーズンが初めてというわけである。

 コロナが1シーズンで復帰できた背景には監督兼選手の大場徹の力が大きい。大場は、ロンドリーナに在籍していたが、2007年にコロナに入団、しかし、2008年には大洋薬品バンフに移籍、大洋薬品バンフが施設枠で出場した第14回選手権にはメンバーに入る経験をしている。181センチの大柄ながらテクニックにも優れ、最初のコロナ在籍のときは関東リーグオールスターにも選ばれている。2009年にはコロナに戻り、監督兼選手を務めるようになった。指導面においても非常に勉強熱心でコロナをより高いレベルのフットサルへと牽引している。実際、コロナは開幕節、フウガと引き分けする健闘を見せた。のちのことになるが、今シーズンは3位と好成績を収め、優勝争いにからむようになるのである。

 コロナの大場(監督兼選手)は1981年生まれ、ゾットの清野潤(監督兼代表兼選手)は1980年生まれ、そしてフウガの須賀雄大(監督)は1982年生まれとまだ若いが、指導者もしくはチーム代表の道を歩もうとしている。関東リーグ創世期では考えられないことであるが、若い人が指導者あるはチーム代表を目指すことは大変喜ばしいことだと思う。また、Fリーグでは難しいかもしれないが地域リーグではこのような機会がいくつも転がっているのだ。そこに地域リーグの光明があるのかも知れない。

 一方、古豪といわれるようになったファイルフォックスにも明るい材料が見出された。それは、2月20日に行われた2部2位Iwatsuki Futsal Club/tzkとの入れ替え戦で終了間際に引き分けに持ち込み1部に留まったこと、およびついに難波田治が戻ってきたことだ。難波田は、昨年末に府中アスレティックを退団、昨年の選手権出場を目指してチームに復帰、ファイルフォックスの選手権出場に貢献したが、今シーズンからリーグ戦にも出場、本格的に復帰となった。これで、湘南ベルマーレから戻った岩田雅人と共に、若手を引っ張る体制が出来上がった。

 この結果、前述した3チームが若い力でチームを牽引するモデルに対して、Fリーグを経験したベテランが地域リーグに戻って若手を育成する2つのモデルが出来上がったことになる。Fリーグが出来て3年、これからは後者のモデルも増えることであろう。ここにも地域リーグの光明があった。

 結局、第12回関東リーグ1部は、前述3チームと辛うじて1部に留まったファイル、カフリンガ、アルティスタ、マルバ、ブラックショーツの8チームでスタートすることになったが、第2回大会の顔ぶれからすると残っているのはファイル、マルバ、ブラックショーツのチームだけとなった。

 一方、2部は参入戦で山梨のヒュンフと千葉のバルドラール浦安セグンドが昇格、N.U.FantersとSELECTIVO de OHARAはいずれも降格してしまった。

 バルドラール浦安セグンドが2部に昇格したことにより、3つ目の新しいモデル、Fリーグのサテライトチームが地域リーグに進出するモデルが誕生した。なお、すでに東海リーグで、名古屋オーシャンズがこのモデルの先鞭をつけている。

 このように、関東リーグもいきなり新生ということではないが、序々に生まれ変わろうとしている。

 さて、お宝写真は、学生時代の仲間で作ったチームモデルとして、フウガ、ゾットに続くコロナFC/権田を取り上げることにしよう。写真は、ラブフットボール提供の第13節、コロナ対ブラックショーツ戦の一コマで、右から14番山村、17番中川、監督兼選手の20番大場、28番小池太郎、25番GK清水哲明らが写っている。試合は、7対2で勝利、優勝戦線の残る貴重な試合だった。このシーズンの2年前、コロナは同じ学生モデルのゾットに入れ替え戦で敗れ、2部降格を味わった。そんな折、武者修行で名古屋(バンフ)に所属していた大場が監督兼選手として戻り、名古屋で学んだ練習方法、戦術などを持ち帰り、さらにはミゲルの戦術なども学び、取り入れ、今まで無手勝流で試合に臨んでいたコロナを劇的に変化させたのだった。結果は、1部復帰の今シーズン見事に開花、結果は3位であったが最後まで優勝争いを演じた。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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