2016.07.15 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

関東フットサル三国志/第13章「その6:史上初の2連覇でフウガが名実ともに“関東の盟主”に。得点王は垣本右近」

Fリーグができるまで、日本フットサルの頂点は間違いなく「関東」だった。その関東を軸に競技フットサルの歴史を振り返っていく当連載。昔からのファンはもちろん、フットサル観戦ビギナーや、Fリーグ以降にファンになった人には「最高の教科書」になるはずだ。
(文・木暮知彦/関東フットサルリーグ広報委員)

フウガ時代の到来

 2008年12月6日、駒沢屋内球技場では、第10回関東リーグ1部が12節を迎えていた。早いもので、関東リーグ設立から10年が経過、その間、ファイルフォックス3回、カスカベウ2回、シャークス1回、小金井ジュール1回、プレデターとガロ1回(同時優勝)、そして昨年のフウガが1回と優勝を連ねて来た。しかし、不思議と連覇はなかった。それが、この日、フウガは2連覇を達成したのだった。むろん、関東リーグ始まって以来の快挙である。まさにフウガ時代の到来と言ってよいだろう。しかも2節を残しての優勝だった。

 結局、フウガは、14試合12勝2敗勝ち点36、得点68、失点27、得失点差41の圧倒的強さで優勝した。1試合平均2.93点差をつけていたことになる。2位のカフリンガが、7勝4敗3分け、勝ち点24、得点59、失点48、得失点差11であるからその凄さがわかる。ちなみに、ファイルフォックスの全盛期、2005年の第6回大会で無敗優勝したときの得失点差が11試合で28、1試合あたり2.55点差であるから、恐らく関東リーグ歴代トップの強さではなかろうか。

 さらにいえば、あとのことになるが、フウガと同じくFリーグ2連覇を達成した名古屋オーシャンズの成績は21試合17勝2敗2分け、得点98、失点42、得失点差56で、1試合平均2.67点差であったから、ステージは違えども、名古屋オーシャンズをも上回っていたことになる。

 フウガのこのシーズンの強さの原因は、2位のカフリンガがこのシーズン得点王だった垣本右近が27得点を挙げ、垣本に依存していたのに対して、フウガは渡邊知晃(ステラミーゴいわて花巻、名古屋オーシャンズ、中国リーグの大連元足朝蹴倶楽部)、早川裕樹、太見寿人、半田徹也(のちにステラミーゴいわて花巻、再びフウガ)、星翔太(バルドラール浦安、スペイン1部グアダラハラ、浦安に復帰)、佐藤亮(シュライカー大阪)など、どこからでも点が取れる選手を揃えていることだった。 

 一方、関東リーグ2部の方は、12月21日にアルティスタ埼玉の優勝で幕を閉じた。アルティスタ埼玉は前回、小曽戸の章で紹介したが、何度も何度も関東リーグ参入を阻まれた高西クラッシャーズとロクFCの合併チームでこのシーズンに名称変更、いきなり2部優勝を果たした。来シーズンからは自動昇格で文句なく念願の1部の舞台に立つのである。原動力の1人には、前回登場した小曽戸をフットサルに誘った加藤貴行である。

 2位にはゾットが入り、入れ替え戦で1部復帰のチャンスを手に入れた。

 Fリーグ2年目、ようやく関東リーグも1年目のショックから立ち上がり、新しい時代を迎えようとしていた。

 さて、お宝写真は、この年の関東1部リーグ、ベスト5の表彰式の写真にしよう。左から、ファイルフォックスの佐藤嘉孝、アルプルナスの出浦知弘、リーグ得点王にもなったカフリンガの柿本右近、フウガの早川祐樹、石井秀樹(GK)の面々である。ファイルフォックスの佐藤は、都リーグCAMISAから移籍、吉成圭、村上哲哉らの穴を埋め、順位を3位にとどまらせる活躍を見せた。現在は、2部BRBに所属している。出浦は、持ち前えの鋭い突破力を武器に活躍、しかし、アルプルナス(マルバ)がFリーグ参入叶わなかったこともあって、ステラミーゴいわて花巻に移籍、その後、バルドラール浦安を経て、現在は古巣マルバに戻っている。得点感覚抜群の垣本は、第7章その4にも書いたが、あの運命の渋谷ユナイテッド参入戦敗退後、カフリンガ東久留米を立ち上げ、今や東久留米の地元にすっかり根付いた活動を展開、代表を務めている。早川は、アラとしてゲームを作る心境地を開いたが、フウガがFリーグ参入前にカフリンガに移籍、現在はキャプテンとして活躍している。フウガ2連覇に貢献、農園経営で話題になったGK石井は、のちに府中アスレティックに移籍、現在は、マルバに在籍している。 

 こうしてみると、この年、ベスト5に選ばれた5人は、その後、紆余屈折はありながら、現在は全員関東リーグに所属、現役でプレーしていることは大変喜ばしい。

※この連載は毎週水曜日・金曜日の2回更新予定です。

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