2016.04.26 Tue

Written by EDGE編集部

コラム

日本フットサルの未来にバトンをつなぐために。“目標なき大会”で日本代表が見せたもの。

写真:松岡健三郎

4月24日、ウィングアリーナ刈谷で行われた国際親善大会のウズベキスタン戦。14人12人がW杯予選に出場した“フルメンバー”のウズベキスタンに対し日本は3−3で引き分けた。コロンビアW杯出場を逃し、大きな目標を失った中での日本代表活動。今大会限定で就任した木暮賢一郎監督の下、ベテランと初招集の選手がミックスされたチームは日本代表の誇りを確かに示した。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

カウンターに活路を見出す

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 2連勝はならなかったが、日本代表は国際親善大会でベトナムに7−0で勝利、ウズベキスタンに3−3で引き分け、1勝1分けで「優勝」という結果を出した。

 ウズベキスタン戦はベトナム戦とは全く違った試合になった。ベトナム戦は開始30秒の先制ゴールを皮切りに、早い時間で決着がついた。ウズベキスタンは今回のメンバーの14人中12人がAFCフットサル選手権に出場していた。ほとんどフルメンバーだった。対する日本はAFCに出ていたのは14人中4人のみで、トレーニング期間は3日しかなかった。

 厳しい試合になるだろうなと思っていた。フットサルはチームスポーツだ。個々の実力に大きな差がなければ、チームとして長い時間をかけて作ってきたほうが強い。ウズベキスタンは派手なチームではないが、組織的な守備に定評がある。GKのルスタム・ウマロフはアジア屈指の実力者だ。

 “プルピス”ことバゾス・メンデス監督が「10分ぐらいまでは日本の攻撃を抑え、試合の流れをつかみ、得点チャンスもいくつかあった」と振り返ったように、前半はウズベキスタンのペースだった。

 4分、5分の立て続けのシュートは日本代表として初先発したGKイゴールが防いだ。イゴールは5分にイエローカードを受けている。これはウズベキスタンGKウマロフの素早いリスタートに対応し切れず、フリーで抜け出そうとした選手に、イゴールがペナルティエリアを飛び出して止めにいった結果だった。

 攻撃面で日本がベトナム戦と違うことはやっていない。木暮監督が言っていたように、「誰でも知っているシンプルな形」がこの日もメインになった。前線にピヴォを置いた3−1の形から縦パスを入れていくというものだ。

 ベトナムのディフェンスはマンツーマンがベースとなっていて、ボールウォッチャーになりやすい。ピヴォにパスを当てたところから、周りの選手が動き出せば面白いようにチャンスになった。だが、ゾーンで守ってくるウズベキスタンは。ピヴォにボールが入っても守備陣形が崩れない。

 日本がまず活路を見出したのはカウンターだった。ウズベキスタンの攻撃を止めた後、素早く守備から攻撃にフェーズを切り替え、ゴールを狙っていく。カギとなったのはイゴールの正確なスローとフィードだ。前半12分、イゴールの浮き球スローを安藤良平(名古屋)が長い距離を走ってシュートを打つ。これは惜しくもポストに当たって決まらなかった。

 前半13分にカウンターからウズベキスタンに決められ、そのまま0−1でハーフタイムに入った。木暮監督は「20分あるし、うまくいかないところがあっても、自分たちを信じて、味方を信じて、持てる力を全部出そう」と話した。

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ゾーンの破壊者となった仁部屋

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