2016.03.22 Tue

Written by EDGE編集部

全国大会

“フウガの象徴”金川武司の卒業メッセージ。「こんな僕を愛してくれて嬉しかった」。

誰よりもひたむきにフットサルと向き合い、誰よりも懸命にピッチを走り続けてきた“フウガイズムの体現者”、金川武司。今シーズン限りでトップレベルの舞台から去り、育成組織の選手兼任監督として、再スタートを切る。「僕がFリーグのピッチで少しでも活躍できたのは、須賀監督が最大限に僕を生かしてくれたから」と、酸いも甘いもともに味わってきた“親友”への思いと同時に、自身を支えたすべての人に向けて、愛ある最後の言葉を口にした。
(文・本田好伸)

フウガは特別なチーム

金川武司(フウガドールすみだ)

——前半は激しい展開でスコアレスでしたが、後半早々の失点が悔やまれますね。

そうですね。ただ勝負事なので、どちらかが勝つことは決まっています。そのなかで僕らの思いもあれば、相手の思いもありますので、この試合では相手の思いが僕らよりも強かったのかなと思います。そして、出場機会を与えてくれた須賀(雄大監督)の思いを、最後の最後にピッチで体現できなかったことは、最後のフットサルとしては心残りになりました。

——「心残り」と言いましたが、これで本当に最後なのでしょうか。

クラブを通じて発表させてもらった通り、「卒業」ということになります。そして今後は一つ下のカテゴリーのフウガバッファローズでプレイングコーチ(選手兼任監督)としてやらせていただきたいです。下の世代の選手が今、一生懸命トップを目指してやっていて、その目がキラキラしていて、そこで一緒になって成長できたらなと思っています。そして、そういう選手たちに、少しの期間ですけど、トップでやっていた僕が、フットサルの素晴らしさや、フウガの素晴らしさを伝えていけたらというすごく強い気持ちを持っています。なのでトップカテゴリーのフットサルでの心残りはありますが、そういった気持ちも強いので、これから5年後、10年後のフウガのことを、今まで以上に楽しみにしています。
それに、僕が十数年フットサルをしてくるなかで、フットサルというものがすごく変わってきました。以前は、代々木体育館のような素晴らしいピッチで、たくさんのお客さんに来ていただくなかで試合をできることなんてなかったですし、今日の対戦相手の町田にいる甲斐(修侍)さんや金山(友紀)さんなども含め、いろんな方たちがフットサルを引っ張って、築いてきてくれました。そして“第2世代”と言われる僕たちが何をできたわけではないですが、ずっと続けてきた結果として、現在のフットサル界があることはすごく嬉しいことです。

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——Fリーグもそうですが、このトップレベルの舞台に最後、ずっと一緒にやってきた仲間と立てたことをどのように感じていますか?

もちろん決勝までの3試合を戦うつもりできましたし、1次ラウンドから一試合一試合、気持ちを込めて戦うなかで、Fリーグというリーグのレベルがものすごく高くなっていて、ぶつかって、負けてしまいました。それでも僕にとっての特別なチームはこのフウガなので、そのメンバーと戦えたことは嬉しかったです。

——金川選手はいつでも先頭に立って走り、ベンチで一番大きな声を出す選手でした。

上手い選手はたくさんいますし、プレーで魅了できる選手もたくさんいると思いますが、それでも僕にしかできないことはありますし、それを信じてやり続けることで、そのプレーを見て、少しでも笑ってもらい、「フウガは楽しいね」と言ってもらえたら嬉しいなという思いで、そこを信じてやってきました。

——まさにクラブの象徴であり、「フウガってどんなチーム?」と聞かれたときに、「金川選手を見ればどんなチームか分かるよ」と周囲の人たちに伝えることができました。

僕たちはプロではないので、毎日仕事をしながらやってきましたが、これは好きじゃないとできないところがあります。その「好き」がある上で一生懸命メンバー争いをして、激しい練習をして、みんなで頑張ろうと声を掛け合ってやっているのがフウガというチームです。一緒にいてすごく楽しいですし、その輪のなかに僕も入れてくれたことが嬉しかった。だからこそ、前向きな、「どんどん頑張っていこう」という声を自然と出すことができたのかなと思います。

——ずっと一緒にやってきた須賀監督への思いはありますか?

須賀には、本当に「ありがとうございます」と言いたいです。面と向かって言うのは、今後も一緒に仕事をしていく仲間なので恥ずかしいですけどね。でもこんな僕を15年以上もチームにおいてくれて嬉しいですし、僕がFリーグのピッチで少しでも活躍できたのは、彼が最大限に僕を生かしてくれたからだと思います。他のチームを見ても上手い選手はたくさんいますし、僕自身も全然できていないと自分では思っていますが、それでも彼が僕の良さを引き出してくれて、僕を信じてピッチに送り出してくれたので、感謝の気持ちしかありません。今度は僕が彼を助けられるように、良い選手をトップチームに送り出せるようにやっていきたいと思います。

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——では、ファンの方へのメッセージをお願いします。

きついとき、辛いときに背中を押してくれたのはファンやサポーターの皆さんです。今日もスクール生やファンの方たちがたくさん来てくれて、感謝の気持ちしかありません。これからは皆さんと一緒に、トップ選手の背中を押せるように、頑張っていきたいと思います。

——試合後、サポーターの前で整列し、涙していましたが、顔を上げることができませんでした。

もう、スタンドをを見られなかったですよね。上を見たらもっと泣いちゃうと思って逃げてしまいました。最後、挨拶できなかったことは心残りですけど、あれだけたくさんの方が「3番」を付けたり、掲げたりしてくれて、本当に嬉しかった。こんな僕を愛してくれて嬉しいなって。その人たちと一緒に今度はフウガの選手たちを応援していきたいですし、そのためだったら何でもしたいと思います。フウガのことをもっともっと楽しいなと思ってもらえるように、僕はまた次の仕事を頑張っていきたいと思います。

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