2016.01.11 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

なぜ森岡薫は名古屋オーシャンズを「戦力外」になったのか?

写真:河合拓

1月11日、森岡薫が名古屋オーシャンズから再契約しないと伝えられたことがわかった。名古屋、そして日本代表の絶対的なエースに突きつけられた「戦力外通告」は、フットサル界に大きな衝撃をもたらした。Fリーグ9連覇を達成し、個人でも26試合32ゴールという結果を出していた森岡が、なぜ名古屋を追われることになったのか。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

9連覇の矢先の戦力外通告

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 1月11日、早朝。1本のニュースがフットサル界を大きく揺るがした。

 名古屋オーシャンズ・森岡薫が今シーズン限りで契約満了を告げられた。森岡は名古屋の一員として1月9日に行われたFリーグのプレーオフFinal Roudを戦って、9連覇を達成したばかり。自らも、その試合で2ゴールを決めて優勝に貢献していた。そんな矢先での出来事だった。

 Fリーグ9連覇、MVPに4回、得点王に4回、ベスト5に5回。正真正銘のフットサル界のナンバーワンプレーヤーだ。2011年に日本国籍を取得してからは、すぐさま日本代表に呼ばれエースとして活躍してきた。2014年には「フットサル版バロンドール」の世界最優秀選手賞の候補10人にも選ばれた。

 それほどまでの選手が、なぜ契約満了——わかりやすく言えば「クビ」になったのか?

 普通に考えれば、クビになるような成績ではない。今シーズンは左足関節遊離体の手術のため10月から怪我で離脱した期間があったものの、26試合に出場して32ゴールを挙げている。怪我さえなければ、シュライカー大阪のヴィニシウスと最後まで得点王争いを繰り広げていたはずだ。

 名古屋の櫻井嘉人GMは「若返りを図るため」と説明しているが、それだけが要因ではないだろう。森岡と同程度の結果を出せそうな若い選手は、少なくとも今の名古屋には見当たらない。他クラブから若くて有望な選手を獲得するにしても、いきなり森岡と同レベルの活躍を期待するのは酷だ。

 個人的な見解になるが、ここ数年、森岡と名古屋の間には常に「緊張関係」があったように思う。森岡は3シーズン前の契約交渉でクラブに対して大幅な年俸アップを要求した。名古屋側もその要求を呑んで、外国籍選手を含めても「別格」と言えるほどの高給取りになった。森岡の要求はプロであれば当然だが、そのことが名古屋との関係性に変化を生じさせたのは事実だ。

 2011年、名古屋の実質的な親会社だった大洋薬品工業が、イスラエルの製薬会社・テバに買収された。これにより大洋薬品はテバの子会社化、名古屋オーシャンズの運営資金はかつてほど潤沢ではなくなっていた。

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「森岡争奪戦」がスタートか

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