2016.01.04 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

プレーオフ最後の切符をつかんだ府中。“キャプテン代理”上福元俊哉のプレーオフに懸ける特別な想い

写真:本田好伸

府中アスレティックFCは最終節でシュライカー大阪に勝利し、3年ぶりのプレーオフ進出を決めた。谷本体制3年目の今シーズンは、オーシャンカップで名古屋を倒して初のタイトルをつかみ、リーグ戦もプレーオフという次のステージへとつなげた。もはや「初のリーグ制覇」という筋書きも、府中のためのストーリーに思えてくる。そんなドラマの“助演男優賞候補”が、胸に熱い思いを秘めていた。
(文・本田好伸)

3年前に味わった悔しさをバネに

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 プレーオフへの闘志を燃やす人物がいる。

 府中アスレティックFCの大黒柱、皆本晃の負傷離脱を受けてキャプテンを任された上福元俊哉だ。プレーオフを決めた大阪戦でゴールを決め、サポーターの元へ駆け寄り雄叫びを挙げたその姿は、まさに皆本のゴールパフォーマンス“皆本ポーズ”のお株を奪うようだった。そんな、皆本に引けを取らないアツイ男の胸には、2つの思いがあった。

 3年前のシーズンも、プレーオフ進出を決めたのは最終節だった。しかし上福元は、ベンチ入りしながらも、GKを除くフィールドプレーヤーでは唯一ピッチに立っていない。その前節も同じように出番はなかった。加入初年度のその年、鳴り物入りでFリーグに参戦したものの出場機会は多くなく、体を張れるタイプの選手が多い府中にあって、ピヴォとして前線で違いを生み出すことはできなかった。

 そうした中で、プレーオフを決めた試合後、「プレーオフ進出」の表彰パネルを授かる役割を任された。ベンチで声を張り上げて味方を鼓舞する姿など、当時の伊藤雅範監督やキャプテンの完山徹一による、彼の献身性を踏まえた計らいだった。そんな思いを受け止めつつも、上福元の中には嬉しさとは別の感情が込み上げていた。

「正直、悔しかった。今に見ていろよって。いつか絶対、自分の手でこのパネルを受け取ろうって、そのときに心に決めた」

 それから3年が経ち、紛れもなく中心選手の一人になった。そしてプレーオフを決めたその日、3年前と同じように、チームを代表して「プレーオフ進出」の表彰パネルを受け取った。決して、うまさが際立つ選手ではないが、「うまくなりたい、もっと上にいきたい」という向上心が彼を突き動かし、前線で違いを生み出せる選手へと成長した。かつての自分を名実ともに超えていくためにも、プレーオフで結果を出すことは、自分自身に課した使命でもある。

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皆本に代わる選手はいない

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