2015.11.05 Thu

Written by EDGE編集部

Fリーグ

すみだの未来を背負う“太見じゃないほう”のピヴォ。18歳・清水和也と23歳・青山竜也の可能性。

フウガドールすみだでは、長らく太見寿人が絶対的なピヴォとして君臨してきた。“軍曹”のニックネームを持つ背番号8は、前身チームのボツワナ時代から常に最前線で攻撃をリードしてきた。その太見の後継者として期待されるのが、府中アスレティックFC戦で大活躍した18歳の清水和也と23歳の青山竜也だ。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

ピヴォとして“独り立ち”した清水和也

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「今シーズン清水をずっと見ている人は、彼のことを若手ではなく、1人の日本代表として見ているんじゃないかなと思います」 

 Fリーグ第27節・府中アスレティックFCとの試合後、須賀雄大監督は2ゴールを挙げた清水について、このようにコメントした。

 指揮官の言葉通り、清水和也のプレーは日本代表の肩書きにふさわしいものだった。前半6分、縦パスを受けると左足を豪快に振り抜いて先制点をもたらした。その2分後にはキックインから打ったシュートで立て続けにゴールネットを揺らした。

 特筆すべきは、西谷、稲葉洸太郎、岡山和馬と組んだセットでこれだけの活躍をしたということだ。今シーズンの途中まで、清水は同じピヴォの太見寿人とセットで起用されてきた。その理由は「僕がちゃんと張れないから」(清水)だった。

 開幕当初は純粋なピヴォとして起用されてきた清水だったが、前線で攻撃の起点となることができなかった。パスをもらうまでの動き出しや、ボールの受け方などに課題があり、十分に引き出すことができなかったのだ。

 すみだはピヴォを軸とした戦術を採用しており、ピヴォのところでボールが収まらないと、チーム全体に影響する。太見+清水のダブルピヴォは、清水ができない仕事を太見に補ってもらうという、いわば“苦肉の策”だった。

 だが、この18歳は現状に満足していなかった。

「ピヴォとして生きていくためには、太見さんと別のセットでも出られるようにならなきゃいけない」

 味方からどうすればパスをもらえるのか、ボールを奪われないためにどうすればいいのか、日々の練習や試合で研究を重ねた。そして、一つの答えが見つかった。

「僕はガッツリ張るようなピヴォじゃない。スペースを見つけながら、タイミング良く入っていくのが合っているなと思ったんです」

 清水は考え方を変えた。それまでは、自分が欲しいタイミングでパスコースに入っていた。だが、せっかく動き出しても、ボールを持っている選手が見ていなければパスは出てこない。そこで、パサーの動きをよく見て、パサーのタイミングに合わせるようになった。

 府中戦の1点目は、清水のピヴォとしての進化が表れたものだった。西谷が最後尾でボールを持ったとき、清水は自分のマークを見ながらも、西谷がパス出そうとしているのも見て、動き出した。パスの出し手と受け手のイメージがシンクロした完璧な得点だった。

「僕がやっているセットは稲葉さん、西谷さんがボールを持てる選手で、駆け引きを見てくれている。あの場面はフリーでシュートを打てて、自分が狙っていたことが出せました」

 謙虚な言葉から、傲慢な印象はまるで受けない。しかし、18歳の表情には確かな自信が漂っていた。

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2分間で結果を出した青山竜也

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