2015.11.02 Mon

Written by EDGE編集部

コラム

諸江剣語、6年ぶり日本代表候補選出。輝きを失っていた男を救った、5年前のフウガ移籍という決断。

フィクソとして新境地を開く

 輝きを失いかけていた諸江を救ったのがフウガだった。須賀監督は「剣語にはすごい才能がある。自分が育ててみたい」と浦安でくすぶっていた諸江にオファーを出した。Fリーグから関東リーグへのいわば「ステップダウン」だったが、諸江は移籍を決断した。

 そこからの活躍は言うまでもないだろう。須賀監督の現役時代の背番号「4」をつけた諸江は、浦安で求められていたドリブラーではなく、フィクソとして新境地を開いた。中心的なポジションを与えられたことで責任感が芽生え、試合中に大きな声で味方を鼓舞するようになった。

 象徴的なのが2013年の全日本選手権だ。当時まだ地域リーグ所属だったフウガは、諸江の大車輪の働きもあって決勝まで勝ち上がった。PK戦にもつれ込んだ名古屋オーシャンズとの決勝では、諸江が最後にPKを外して準優勝となったものの、日本中のフットサルファンに大きな感動を与えた。

 諸江の実力を持ってすれば、すぐにFリーグクラブに移籍しても十分に活躍できただろう。だが、諸江はフウガに留まり、フウガとしてFリーグに挑戦することを選んだ。それは自分を「再生」してくれたクラブへの愛情であり、このクラブでこそ自分は最も輝けるという確信があったからだ。

 日本代表選出に伴って、諸江はツイッターにこのように書き込んでいる。

「来週の日本代表候補合宿に選出されました!!
自信を持ってプレー出来るようになってからは初めてです。
たくさんの方に支えてもらっていること、感謝の気持ちを胸に頑張ってきたいと思います。
ただ、まずは今週の試合に向けて練習集中!」

 今の諸江は、5年前、チームで出場機会を得られていないのに「若いから」という理由で日本代表に選ばれた諸江ではない。地域リーグでいくつものタイトルを獲り、Fリーグのピッチで堂々と活躍し、誰もが認めるフウガドールすみだのキャプテンになった「諸江剣語」である。日本代表のポジション争いに参戦する資格は十分にある。

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