2015.11.02 Mon

Written by EDGE編集部

コラム

諸江剣語、6年ぶり日本代表候補選出。輝きを失っていた男を救った、5年前のフウガ移籍という決断。

写真:本田好伸

フットサル日本代表候補トレーニングキャンプメンバーに、フウガドールすみだの諸江剣語が選出された。かつてバルドラール浦安で実力を発揮できずにくすぶっていた男は、地域リーグのフウガに移籍したことで再生を果たした。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

かつては「メンタルの弱さ」が課題だった

 フウガドールすみだに関わる、誰もが待ち望んだニュースだった。11月2日、名古屋のオーシャンアリーナで11月9〜11日に行われるフットサル日本代表候補トレーニングキャンプメンバーが発表された。

 ここ最近の合宿で常連メンバーとなっている西谷良介、稲葉洸太郎、清水和也の3人に加えて、新しい名前がそこにあった。

 諸江剣語だ。

 諸江の選出は、今シーズンのFリーグを見ているものであれば誰もが納得できるものだと思う。プレーオフ進出に邁進しているチームにあって、フィクソとして相手のエースを封じる役割を担いながら、攻撃面でも積極的なドリブルやシュートで貢献。戦術眼にも優れており、須賀雄大監督からは「ピッチ上の監督」と全幅の信頼を寄せられている。

 それほどの実力の持ち主でありながら日本代表に縁がなかったのは、このポジションの層の厚さゆえだ。

 府中アスレティックFCの皆本晃、ペスカドーラ町田の滝田学、シュライカー大阪の佐藤亮がコンスタントに選ばれており、さらに5月に日本国籍を取得した名古屋オーシャンズの酒井ラファエル良男もポジション争いに加わった。

 ワールドカップまであと1年。諸江の日本代表入りは現実的に難しいかと思われた。しかし、府中の皆本が左膝前十字靭帯損傷、全治8カ月という長期離脱をしたことで、ついにチャンスが巡ってきた。

 諸江が日本代表に選ばれたのはミゲル・ロドリゴ監督の就任直後、2009年にFリーグの若手中心で臨んだアジア・インドアゲームズ以来だ。A代表ということで考えれば、「初選出」といってもいい。

 かつての諸江は「メンタルの弱さ」が課題だった。静岡学園卒業後、地元・金沢に帰って所属したフットサルチーム・インディゴスコーピオンの一員で全国大会に出場。変幻自在のドリブルを武器に大活躍し、対戦相手だったプレデター(現バルドラール浦安)に引き抜かれた。

 トントン拍子に階段を上っていた諸江だったが、浦安では選手層の暑さに阻まれて埋もれてしまう。当時の浦安は日本代表経験者がずらりといるスター軍団。先輩の中で、自分らしいプレーを出すことができず、ベンチにすら入れない日々が続いた。

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フィクソとして新境地を開く

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