2015.11.01 Sun

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【Fリーグ第27節】東京ダービーの勝敗を分けたもの。6連勝、すみだの快進撃を支える“第3のセット”

流れを変えた“第3のセット”

 ここで勝負をかけたのがフウガドールすみだの須賀雄大監督だった。前半は出場がなかった田口元気、栗本博生、青山竜也の若手3人をピッチに送り出したのだ。

 ここ最近、すみだはGKを清家1人しか登録していない。つまりメンバー構成はFP11人、GK1人。GKにアクシデントが起こった場合のリスクはあるが、「今はFPの選択肢を増やしたいという意識もあって、FP11人にしている」(須賀監督)。

 田口、栗本、青山の3人はコンスタントに出場しているわけではない。ただ、フレッシュで走り回ることができ、これまでとは違ったリズムを生み出すことができる。須賀監督から3人への指示は明確だった。

 ゲームを壊せ——。

 これはラフプレーをしろとか、無茶苦茶なことをしろというわけではない。「ビハインドが2点になったところで、ある意味でゲームを“壊す”というか、府中がクローズしたいゲームを動かすという意味で、若い選手の力が必要だなと」(須賀監督)。

 指揮官の賭けは当たった。

 27分、コーナーキックからエース太見がボレーシュートを決めて1点差に追い上げる。「ちょうどブラインドになった」というように、府中の日本代表GK田中俊則が一歩も動けないシュートだった。

 同点ゴールを決めたのは、“第3のセット”の1人、青山だ。コーナーキックのパスを受けた稲葉洸太郎がシュートに持ち込むがブロックに遭う。このボールがゴール正面の青山のところに転がってきた。

 今年6月まで下部組織のバッファローズでプレーしていた青山は、迷うことなく右足でシュートを打った。トーキックで打たれたシュートは目の前の完山、そしてGK田中と2人の股を抜けて、ゴールに吸い込まれた。

 すみだの勢いは止まらない。青山のゴールから22秒後、稲葉が左サイドからタイミングを外したシュートで5点目を奪った。

「2点差があって、本当はそこで滑らないといけないシーンで滑らなかったり、ボールに寄せられなかったりというのは、3、4失点目で感じました。追いつかれた状況からの5点目では、相手に流れが転がっていたのかなと」

 谷本監督は、そう振り返った。

 逆転された直後から府中は山田ラファエルをGKにパワープレーを開始。スピードのあるパス回しから揺さぶりをかけたものの、パワープレー返しを食らって2失点。府中としては傷口を広げる結果となってしまった。

 すみだはリーグ戦で浜松、大分、浦安、仙台、町田、府中と6連勝中。次の日に試合がある町田を抜いて暫定2位に立った。リードされたとしても、若手がゲームを活性化し、ベテランが大事なところで仕事をする。今日の試合はすみだの今の「強さ」を象徴するような内容だった。

 一方、キャプテンの皆本晃が左膝前十字靭帯の大怪我を負って長期離脱を余儀なくされた府中。谷本監督は「いなくなった穴を埋めてくれる選手が出て来て、ポジティブに感じている」というが、プレーオフ進出に向けて、ここからの6試合は文字通り正念場になりそうだ。

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