2015.07.28 Tue

Written by EDGE編集部

Fリーグ

「オフェンスで結果を出せなければ、そこらへんにいる選手だぞ」。加藤未渚実が結果を出さなければいけなかった理由

写真:本田好伸

Fリーグ第14節のバルドラール浦安vsシュライカー大阪。残り2分41秒、最大の武器であるドリブル突破から試合を“決める”アシストを繰り出したのは加藤未渚実だった。2月に行われたプレーオフ2ndラウンドのラスト13秒アシストを思い起こさせるプレー。そこには、「結果を出さなければいけない」という加藤の強烈な思いが隠されていた。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

デジャブのようなゴール

 カトウミナミ。

  ちょっと変わった名前が、フットサル界に知れ渡ったのは、今年のはじめ、2月21日のことだ。Fリーグのプレーオフ2ndラウンド、バルドラール浦安vsシュライカー大阪。

 浦安の勝利を打ち砕き、大阪にFinalラウンドの切符をもたらしたのは、当時まだ無名選手だった加藤未渚実だった。

 1—1で迎えた残り13秒、右サイドの高い位置でボールを持った加藤がドリブルを仕掛ける。縦に軽くかわして右足でゴール前にシュート性のパス。GKと浦安選手の間を通ったボールに佐藤亮が飛び込む。ゴールネットが揺れた。

 このワンプレーは、加藤の印象を「大阪の若手選手の1人」から「個の力で決定的な仕事ができる選手」に塗り替えるだけのインパクトがあった。ミゲル・ロドリゴ監督もプレーオフ後に印象に残った選手として、「大阪の26番」を挙げていた。

 最大の特徴はキレのあるドリブルだ。独特の間合いでボールを持ちながら、一瞬のスピードで目の前の相手を抜き去る。組織的なパスワークと堅実なディフェンスをベースにする大阪にとって、加藤のようなタイプは珍しい。だからこそ、こう着状態を打開する切り札にもなる。

 5カ月後の7月25日、奇しくもプレーオフ2ndラウンドと同じ浦安戦、同じ同点の展開で、またしても加藤のドリブルが勝負を決めた。残り2分41秒、右サイドの高い位置でボールを受けると、マッチアップした浦安の高橋健介を縦にはがし、ファーポストへパス。これを永井義文が押し込んだ。

「プレーオフのときを思い出したよ」。

 試合後、決勝点を演出したヒーローは、チームメートからこんな声をかけられたという。浦安の米川正夫監督は「加藤のドリブルは警戒していたし、仕掛けてくるから気をつけようと話していたけど……」と加藤の個の力に脱帽した。

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