2015.06.26 Fri

Written by EDGE編集部

Fリーグ

「Fリーガー」と「経営者」の二足のわらじ。森岡薫と渡邉知晃が現役中に“起業”に踏み切った理由

名古屋オーシャンズの森岡薫と、府中アスレティックFCの渡邉知晃——。日本代表ピヴォであり、Fリーグ最高峰のスコアラーである2人が、今年3月に共同で「株式会社Global9」を立ち上げた。現役選手が“起業”するのは異例のことといっていい。2人はなぜ自分の会社を作ったのか。その背景には、名古屋でプロとして、恵まれた環境でプレーしてきたからこその強烈な危機感があった。
(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

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フットサルが終わったら何がある?

——2人は昨シーズンまで名古屋オーシャンズでチームメートでしたけど、プライベートでも仲が良いんですよね。

森岡 そうですね。僕は家族がいるんですが、しばらく(実家のある)東京と名古屋で離れて生活していたので、ゴハンはほとんど一緒に行ってましたね。ポジションも同じだったし、聞き上手なので、話しやすかったんですよね。花巻から来るときは「オラオラキャラ」だって聞いてたんですけど(笑)。

渡邉 そんなことないですよ(笑)。薫くんと僕は7歳違うんですけど、僕は年上の人といるほうが楽なんです。むしろ年下のほうが気を遣っちゃうんです。先輩後輩というよりは友達感覚で接してました。

森岡 良く言えば友達感覚、悪く言えば舐められてるんです(笑)。

——その2人がどうして会社を一緒に作ることになったんですか?

森岡 仲良くなっていって、いろいろな話をするようになったんです。僕たちは幸いにも名古屋というチームでプロ選手としてフットサルができているけど、でも、これが終わったら何もないよね、と。どうするの? って。

渡邉 薫くんは怖いものなさそうに見えますけど、すごく心配性ですからね。たぶん、誰が見ても薫くんはフットサル界のトップだと思うんです。だけど、そんな選手でも現役が終わった後に保証されているものがあるかといったら、何もない。

森岡 何もないんだったら、自分たちで作るしかないんじゃないか。そう思ったんです。

——なるほど。

森岡 正直、Fリーグはもっと早い段階でプロ化すると思っていました。名古屋が3連覇したら、これじゃダメだと思ったチームがプロ化するだろうと。でも、5年経っても、8年経っても、何も変わらない。観客動員数も伸びていない。そういう中で、まだまだ時間がかかるのかな、自分が選手でいる限りはまだそういうことは実現しないのかなと思って、今後のことを考えるようになったんです。

——渡邉選手が名古屋から府中に移ったタイミングで立ち上げたのは?

渡邉 それはたまたまなんです。今シーズンも名古屋にいたとしても立ち上げるつもりでした。2年前ぐらいから薫くんは言ってて。僕もやりたいと思ってたけど、実際に僕ら2人じゃ無理なんです。会社を作るノウハウもないですし。

——どんなきっかけで実現に動き出したんですか?

渡邉 去年、肩を亜脱臼して東京にあるJISS(国立スポーツ科学センター)に2週間入ったんです。そのとき、Fリーグを見に行こうと思ったときに、誰か一緒に行く人いないかなと思って声をかけたのが、今回の立ち上げにも関わっていただいた方だったんです。昔、僕がコナミスポーツクラブでアルバイトしていたときの上司で、6年ぶりぐらいに会って、そこで「こういうことを考えてるんです」って話したら、「そういう仕事をやりたかったんだ」と言ってもらえて。去年の12月に薫くんを含めて3人で会って、そこから急ピッチで準備して、4月に登記しました。

——「Global9(グローバルナイン)」という会社名の由来は?

森岡 グローバルというのは世界に通用する人材を育てたい、世界につながることをしていきたいということです。「9(ナイン)」はわかりやすいですけど、自分の背番号ですよね。

——あれ、13番(渡邉の番号)は……?

渡邉 一応、フウガと花巻のときに僕も9を着けてますから(笑)。

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