2015.05.06 Wed

Written by EDGE編集部

コラム

試合中のシュートで心臓停止……九死に一生を得た関東リーガー

写真:伊藤大和(さすらいフットサラー)

5月4日に行われた「F-CHANNEL Pivo! Champions Cup 2015」で、関東フットサルリーグ所属クラブ・fcmmの田中奨が、試合中に相手選手のシュートを受けて、心肺停止状態になった。だが、チーム関係者や施設スタッフの迅速かつ必死の救助により、22歳の若者は奇跡的に一命を取り留めた。今回の一部始終を当事者である本人が振り返った。
(文・田中奨/fcmm)

本当に死んでもおかしくなかった

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 2015年5月4日。

 僕はフットサルの試合中に心肺停止になりました。

 自陣ゴール前で僕がスライディングでシュートブロックに行ったところ、シュートがたまたま心臓に当たってしまい、起き上がって2、3歩歩いたところで前のめりに意識をなくしました。

 僕の記憶はそこで途切れています。

 これは心臓震盪という心臓に強い衝撃を受け、数秒後に意識を失い、心臓が痙攣を起こし、心臓が心臓の役割を果たせなくなる一種の心肺停止状態になるものです。

 これを心室細動といいます。

 強い衝撃を受けたら必ずなるというものではなく、心臓から出る電気信号のあるタイミングで当たってしまうとなり、今回自分は丁度そのタイミングで当たってしまったようで、心肺停止状態になりました。

 でも僕が倒れ止まってしまったあと、すぐに自チームfcmmトレーナーの青山友紀さんが飛んできてくれ、脈確認をしたのち脈がなかったので心肺蘇生を施し、AEDを使用してくれて僕は2回目の電気ショックで意識を戻したようです。

 AEDは除細動器と言い、痙攣を起こし、細動状態の心臓を正常な動きに戻してくれる役割があり、それが”除”細動の意味ですね。僕はその電気ショックを受け心肺停止から意識を戻すことができました。

 医師からは「青山さんがすぐに心肺蘇生をしてくれていなかったら、君はこうして元気に生きているかわからなかったよ。その女の子に感謝しないとだね!」と言われ 、それを聞いた瞬間涙があふれ、身体が固まりました。
 鳥肌が止まりませんでした。

 そこで初めて、本当に僕は心臓が一度止まり、死んでもおかしくない状態だったのだなと思い知らされました。現場にいた方にはもうダメだと思ったとたくさん言われるように、本当に九死に一生でした。

 青山さんは意識をなくした僕を救命するのは怖かったと思います 。その青山さんの迷いのない判断と勇気に周りの方が協力してくれて、迅速に対応してくれたので、僕はこうして生きていることができます。

 本当に青山友紀さんの勇気に僕は救われました。
 本当にありがとうございます。

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意識がない中でも聞こえた“みんな”の声

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