2015.04.21 Tue

Written by EDGE編集部

海外

バルドラール浦安ジャカルタ遠征レポート②「インドネシアのフットサル熱は?」

写真:バルドラール浦安/アジアサッカー研究所

4月9日〜13日、バルドラール浦安がインドネシア遠征を実施した。現地では国際文化交流プログラム、インドネシア代表との国際親善試合などを精力的にこなした。Fクラブが海外交流する意義とは? アウェイの雰囲気はどうだったのか? 今回、臨時スタッフとして遠征をサポートした長谷川雅治氏に現地での様子をレポートしていただいた。
(文・長谷川雅治/アジアサッカー研究所 Project Director)

Fクラブがアジアに行く意味

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 インドネシアは約2億5千万人の人口(世界第4位)で、国土の面積は日本の約5倍。火山活動から生まれた島々からなる海洋国家で、時差は日本からマイナス2時間。バルドラールが遠征した首都ジャカルタは人口の約10%(2400万人)が住んでいて、その5人に1人は(220万人)は富裕層。高層ビルが立ち並ぶ大都会である。

 ジャカルタに多く住むジャワ人は上品で繊細な気質で、あまり不安を口にせず、まあまあ、と収める傾向にある。全人口の9割近くがイスラム教徒だが、曰く「緩いイスラム」で、民族宗教と混在していることも日本人と近い。さらに戦後のインドネシア独立を支援した日本に対する信用が絶大な親日国であり「南半球にある暑い日本」とイメージしていただければ良いかもしれない。

 経済状況としては日本の70年代に相当し、これから発展のピークを迎える国だ。娯楽が少ないなかで、誰もがボール一つで参加できるサッカーはとても人気がある。近年、代表チームが国際舞台で活躍した実績に乏しいのがインドネシア国民にとっては不幸だが、それでも平日の夕方からフットサルシューズを持ってはコートに集まり、楽しそうにボールを蹴る風景は日本と一緒だ。

 都市の人口密度も関係し、DOスポーツとしてのフットサルは非常に盛ん。ジャカルタ市内には、まともに使えるサッカーコートはわずか12〜13面なのに対して、民間フットサルコートは100面以上ある、といえばその人気の高さが伺えるだろう。

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 人口ボリューム、経済的好況、サッカー人気から、ヨーロッパからバルセロナ、ミラン、ユベントス、南米からボカジュニアーズ、日本からは古くはヤンマー、Jクラブだとガンバ大阪(地元クラブと試合を実施)や大宮アルディージャ、横浜F・マリノスなどが現地に入り活動を開始している。

 ミドルウェアを担うクラブであるバルドラール浦安がこうしたメガクラブと期して戦う必要は無いが、スポンサー企業に対して広告価値でメリットを出しづらくなってきた日本のフットボールクラブの一例として、新たなブレイクスルーポイントを探る機会を得ただけでも貴重なインドネシア行きだったといえる。

 バルドラールは今回の遠征を、短期的なリターンを求めない、あくまで国際交流の一環として位置づけていて、塩谷代表はインドネシア側に対し、「一度だけではなく何度も来ること、そしてインドネシアのフットサルの好きな選手たちを近い将来、浦安に呼べてこそ初めて交流と言えると、フットサルを通じた両国の接点作りと人材育成とを、長い時間をかけて行っていくことが目的であることを繰り返し説明した。

 もう一つ、Fリーグや日本サッカー界に与える影響も考えうる。サッカーのJリーグは既に「アジア戦略」として2年前から本格的な活動を開始している。バルドラールを先鞭としてこのような活動が盛んになれば、世界に誇ることのできるFリーグの運営ノウハウや、アジアのトップに君臨する指導環境をもって、AFC加盟FAとの交流を深めるチャンスはあり、これらがFリーグや日本サッカー協会の未来に明るい光を灯すかもしれない。(続く)

バルドラール浦安ジャカルタ遠征バックナンバー
第1回「たった7カ月の準備期間」
第2回「インドネシアのフットサル熱は?」
第3回「日本文化を伝える先生役として」
第4回「なぜ浦安はインドネシア代表に大敗したのか?」
第5回「日本人の“プライド”を見せた浦安」

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