2019.02.20 Wed

Written by EDGE編集部

Fリーグ

Fリーグ選抜が躍進したのは「必然」である。環境と立場がもたらした掛け算のレベルアップ。

写真:本田好伸

平均年齢21歳、他のチームで出番に恵まれない若手選手を集めてFリーグを戦う。「勝てるわけがない」「他のチームに失礼だ」。賛否両論があったFリーグ選抜だったが、終わってみれば12チーム中8位と期待を大きく上回る結果を出した。なぜ寄せ集め軍団がトップリーグで躍進できたのか。Fリーグ選抜の躍進は、日本のフットサル界にどんなメッセージを投げかけたのか。
(文 本田好伸)

環境じゃなく立場が成長させる

「最初は『環境』が成長のために大事だと思っていましたけど、途中から『環境』じゃなくて『立場』が人を成長させるんじゃないかなという思いに変わった」

 Fリーグ選抜のキャプテン・三笠貴史が1シーズンを振り返ったインタビュー記事でそう話していた。

 試合後の記者会見や個別取材で何度か言葉を交わしてきたが、三笠の誠実さと意思のある率直な言葉に心を打たれてきた。彼が自分からキャプテンを申し出たことも知っていたし、多くの苦悩と向き合いながら成長を遂げる姿も見てきた。だから「立場が人を成長させる」という言葉には素直に納得したし、ものすごく説得力のある言葉だと感じた。

 ただ、複雑な気持ちにもなった。Fリーグ選抜の選手のほとんどが、所属クラブで出場機会に恵まれなかった選手たちだ。選手たちの技術は高いし、同世代では上位の能力を持っている。それでも、各クラブには同じようにレベルが高い選手が何人もいるし、経験のある選手がいる。

 普通に考えれば、Fリーグ選抜を圧倒できなければおかしい。だが、フタを空けてみればFリーグ選抜はシーズンを通じて10勝7分16敗の結果を出して12チーム中8位になった。ヴォスクオーレ仙台、バルドラール浦安、エスポラーダ北海道、アグレミーナ浜松の4クラブは勝ち点で下回った。

 覚悟さえあれば、出場経験に乏しい若手だけでも十分にトップレベルで戦える。つまり、覚悟が足りないから、自覚が薄いから、今のクラブ、選手たちはそこそこで止まってしまっているということ。これは若手に限った話ではなく、キャリアが十分にある選手の集合体であっても、覚悟が足りなければ成長速度は遅く、チームの上位進出も夢物語だということ。これまで名古屋オーシャンズをリーグ戦でもプレーオフでも上回ったのが、2016シーズンのシュライカー大阪、たった1つしかないことが、その事実を如実に語っている。

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1年間で積み重ねたトレーニングは318回

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