2018.09.29 Sat

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【前半戦総括】12年目の新展開!オーシャンズとFリーグ選抜とロベカルと、それぞれのチームと。

写真:本田好伸

DUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1はレギュラーシーズンの33試合中14試合を終えた。連覇に向けて首位を快走する名古屋オーシャンズはなぜ強いのか、上位5チームから3チームに出場枠が減少したプレーオフ進出争いはどうなっているのか、平均年齢20歳、あの“悪魔の左足”ロベルト・カルロスのスポット参戦でも話題を集めたFリーグ選抜はどんな戦いを見せているのか。激動のシーズン前半戦を振り返る。
(取材・文 本田好伸)

名古屋オーシャンズが圧倒的に強い理由とは?

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 DUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1は、前半戦を終えて名古屋オーシャンズがぶっちぎりで首位を走っている。14試合で13勝1分の無敗をキープして、2位のペスカドーラ町田との勝ち点差はすでに11ポイントも開いた。このままのペースでいけば、彼らのリーグ1位は間違いないだろう。

 新戦力はバルドラール浦安から電撃加入した星翔太だけであり、ペドロ・コスタ体制3年目を迎えた今シーズンは前年の継続路線で走り出した。昨シーズンのMVP・ラファが3月の全日本フットサル選手権決勝で右膝前十字靭帯断裂などの大ケガで全治約1年の離脱となったが、入れ替わるように昨シーズンをケガで棒に振ったペピータが復帰。戦力のバランスは保たれていたが、一方で、年々レベルアップする他チームとの比較の中では、名古屋の苦戦が予想されていた。今シーズンは、優勝を逃してしまうのではないか──。

 しかし彼らは、例年以上の強さで他チームを圧倒してみせた。

 驚くことに、第8節でFリーグ選抜に2-2で引き分けた試合以外はすべて3点差以上で勝利している。完封勝利は2試合にとどまっているが、5点差以上も5試合ある。もちろん“パワープレー返し”によって試合終盤にリードを広げるケースはあるものの、もはや名古屋の強さに疑いの余地はない。

 では彼らの何が強いのか。一言で言うなら、それは「すべて」だ。技術、戦術、駆け引き、フィジカル……すべてにおいて相手を上回っていることで、彼らが後手に回る確率は圧倒的に低い。

 それを可能にしているのは彼らのプロ環境であり、日々フットサルだけに専念できることは何よりのアドバンテージだろう。これまで蓄積してきたそうした強みが、現在のリーグ事情とも重なり顕著になっている。

 その理由は2つある。

 一つは、他チームが“強くなっている”ことだ。多くのチームが近年、大きくレベルアップする中で、指揮官をはじめ各チームはそれに比例するようにタスクを増やしている。「名古屋に対抗すること」だけではなく、実力の拮抗する他チームへの対策もこれまで以上に時間を費やす必要があり、かつ自チームのオリジナリティを追求するための時間もさらに必要としている中で“対名古屋”が最重要課題ではなくなったのだ。

 ほとんどのチームがシーズン最初に「リーグ1位」を目標に掲げながらも、監督や選手の脳内では“現実的なライン”が葛藤のように巡っている。特に今シーズンはプレーオフの出場枠が上位5チームから3チームに減ったため、“名古屋以外のチーム”からいかに勝ち点を奪うのかに注力する必要性が増しているのだ。

 こうした状況を踏まえると、名古屋への緻密な分析や戦略に基づく戦いよりも、自分たちが現時点で名古屋とどの程度まで戦えるのかを測る意味でも、真っ向勝負を挑むケースが多い。3回戦総当りのリーグ戦だけに、特に1巡目はその傾向が強いことも、名古屋が横綱相撲で勝ち切る試合が増えた理由だろう。

 もう一つは、名古屋のチームカラーだ。かつての名古屋は、それこそ動物園の檻の中にライオンもトラもチーターもゾウもゴリラもみんなが一緒に入っているような“超個性派集団”だった。一人ひとりのキャラクターが強く、能力の高さは折り紙付きだが、一方でそんな集団をまとめ上げるのは一筋縄ではいかない。ある意味では非常に“プロっぽい”ドライな集まりであり、どんな時でも「結果」を一番に考えるチームだった。

 しかし今は、統率の取れたファミリーのようでもある。プロとしての自覚と決意、そして「結果」にこだわるメンタリティーを失うことなく、チーム全員で目標に向かっていく“優等生集団”なのだ。「チームワーク」を重んじるペドロ・コスタ監督が2016シーズンから指揮を執るようになってからは特に、その年からキャプテンを任された星龍太がリーダーシップを発揮するようになった。

 そして、吉川智貴や西谷良介、星翔太、酒井・ラファエル・良男など、経験値の高いベテランが脇を固めることで、安藤良平や関口優志、篠田龍馬といった中堅、八木聖人、齋藤功一、橋本優也、平田・ネト・アントニオ・マサノリといった成長株の選手が思う存分、力を発揮できる雰囲気が生まれている。

 いわゆるトップリーグの助っ人外国人は“我が強く扱いづらい”という印象もあるが、名古屋にそれは当てはまらない。現在、トップに所属しているペピータ、ヴァルチーニョ、ルイジーニョについては、選手やスタッフが「本当にいいやつら」と口をそろえ、星龍太も昨シーズンの優勝後に「名古屋はプロだから“仕事”と捉えられるのが普通かもしれないですが、それを超えた家族のような関係性になれている」と話していた。

 “名古屋以外のチーム”が拮抗する中で、すでに突出する名古屋が“さらに上”を見据えて強化を進め、その上さらに、チーム力、つまり一体感も加えた。だから名古屋は、ぶっちぎりで首位を走っているのだ。

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プレーオフ進出争いに勝ち残るのはどのチーム?

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