2018.07.03 Tue

Written by EDGE編集部

コラム

ドリブルオンリーにロングボール合戦……。日本フットサルを停滞させる「指導者不足」に解決策はあるか。

フットサルを教えられる指導者が求められる

 こうした事例はやはり、日本の指導者不足につながっている。育成年代からフットボールの原理原則を伝えるためにフットサルは有効であり、それが引いては、日本のトップシーンのサッカーやフットサル選手の成長をもたらす。

 だが、サッカーチームの指導者に話を聞くと、いまだにロナウジーニョやネイマール、メッシ、イニエスタなどがフットサルをしてきたことを引き合いに「フットサルはサッカーに生きる」と話している。問題は、その多くが「足元の技術がうまくなるから」という文脈で語られているところにある。

 フットサルの本来の有用性は、ボールを扱うテクニックではなく、判断、決断、実行の部分にある。実際に、スーパースターだけではなく、W杯に出場する中堅国以上のFW、MF、DF、GKの多数の選手たちが、フットサルでは当たり前のスペースの作り方、ボールの動かし方、受け方、プレーの限定のさせ方、シュートコースを消すやり方などを使って、ハイレベルな攻防を繰り広げているのだから、そこに学ばない手はない。

 だからこそ、フットサルで学んだことをフットボールに生かせる“質の高い”指導者が必要なのだ。

 日本でフットサルの指導者ライセンス制度が始まったのはこの10年のことであり、いまだに整備段階の途中である。ブラジルやスペインといった世界をリードするフットサル大国のメソッドを学ぶ機会も、民間企業による不定期の指導者講習会などに限られているのが現状だ。

 そうした中で、現フットサル女子日本代表監督の木暮賢一郎氏は、自身もスペインでプロ選手としてプレーした経験を持ち、2012年に引退してからも、指導者として今度はブラジルのメソッドを取り入れる中で、オリジナルの指導理論を構築している。

 日々、世界のトップシーンの指導を学びながらいまだアップデートを繰り返しているものの、チームが所属するカテゴリーや選手のレベル、クラブの立ち位置を踏まえたチームマネージメントやトレーニングデザインといった指導方法は、日本トップクラスといって間違いないだろう。

「グレさん(木暮賢一郎)から学べるのは本当にすごいこと。個人的な付き合いもありますが、改めて体系立てて説明してもらえることはなかなかないからこそ、こういう機会はすごく貴重だと思います」

 Fリーグで監督経験を持つある指導者が言うように、その指導力は、同じ指導者であっても学びに満ちたものなのだ。そんな木暮氏が7月18日から、全6回に及ぶ「KOGURE FUTSAL ACACEMY」を開講する。

 フットサルのプレーモデル、トレーニング設計、個人戦術やグループ戦術、システム攻撃、守備、攻守におけるトランジション、セットプレー、パワープレーなど、フットサルのすべてを学べるアカデミーだ。

「指導者が足りないからこそ、一緒になってフットサル選手を育てられる指導者を増やしていきたい」。

 決して“上から”教えるわけではなく、あくまでも一人の指導者として、自分のノウハウをオープンにすることでフットサルやフットボール業界の発展に貢献したいという木暮氏の思いが詰まった“学びの場”だ。

 サッカーもフットサルも関係なく、むしろフットボールに関係のないスポーツ指導者、ビジネスマンでさえも、きっと何かを得ることができるだろう。この機会をぜひ、多くの人に活用してもらいたい。

kogureacademy

<関連リンク>
全6回の集中型フットサル指導者講習会「木暮賢一郎フットサルアカデミー」が7月からスタート!

 

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