2018.06.06 Wed

Written by EDGE編集部

Fリーグ

選手の技術向上だけじゃない。女子Fリーグに参入した流経大が考える「サッカーとフットサルの融合」の真の意味とは。

写真:本田好伸

今シーズンから「GAViC Presents 日本女子フットサルリーグ2018」(女子Fリーグ)に参入した流経大メニーナ龍ヶ崎は、関東女子サッカーリーグ2部を戦うサッカー部の選手がメインで構成されている。サッカーチームが、フットサルのトップリーグに参戦。これは何を意味するのか。Fリーグディビジョン2に参入したトルエーラ柏の代表・奈須隆康氏が新たに監督に就任したことも、意味がありそうだ。奈須監督に話を聞くと「サッカーとフットサルの融合」を“真の意味で”実現しようとする、流経大のプロジェクトが見えた。
(取材・文 舞野隼大)

フットサルで、人生の選択肢と可能性を広げる

「フットサルをサッカーに生かし、逆にサッカーをフットサルに生かしたい」

 今シーズンから「GAViC Presents 日本女子フットサルリーグ2018」(女子Fリーグ)に参戦中の流経大メニーナ龍ヶ崎を率いる奈須隆康監督は、チームづくりの狙いをそう話す。奈須監督は、男子のFリーグディビジョン2を戦うトルエーラ柏の代表を務める人物でもある。流経大が「サッカーとフットサルの融合」という大いなるプロジェクトを推し進めるために、奈須監督を招へいしたのだ。

「流経大が女子Fリーグに参入することが決まって、大学の方から力を貸してほしいと依頼がありました。普段はサッカー部のコーチを兼務しながら、フットサルを教えています」

 サッカーとフットサル、両方をプレーする彼女たちの可能性を引き出すことが、奈須監督に求められたタスクだ。「サッカーとフットサルを一緒にやることで、双方に生かせるようにしたいです」と、トレーニングを積んで迎えた、流経大のフットサルとして初めての公式戦。女子Fリーグ開幕節の相手は、昨年の初代女王・アルコイリス神戸だった。

「日本のトップのレベルを最初に経験できて、彼女たちにとってすごく財産になると思います」と振り返ったその試合は、序盤の善戦も虚しく、1-7で大敗を喫した。

HND_0137

 だが奈須監督は、「現時点でチームとしての差を埋めようとするつもりはない」という。「アルコにできなくて、うちの選手にできたことを掘り下げていくことで、可能性を見出したい」。サッカー選手がフットサルの試合で見せたものを突き詰めながら、彼女たちを伸ばしていく。それこそが、流経大メニーナにしかできない「サッカーとフットサルの融合」というプロジェクトだろう。

「フットサルをサッカーに生かす」とは、“フットサル側の視点”から、ずっと語られてきたテーマである。だが、フットサルの現場で実感するその優位性は、今でもまだ、サッカーに浸透しているとは言い難い。一方で、これまでは「サッカーをフットサルに生かす」という“サッカー側からの視点”は皆無だった。

 この新しい視点で見た時、「サッカーとフットサルの融合」は、大きな可能性に満ちている。

「社会人になってもサッカーやフットサルなど、フットボールを続ける選手は多くないので、フットボールを続けるきっかけがフットサルになってほしいのが一つ。そして、フットサルを経験することで、彼女たちにとっての選択肢と可能性を広げたい。そんな取り組みをやりたいなと思います」

 大学生という時期は、競技を続けるかどうかの一つの分岐点。その先も続けるのか、続けるとしてもどのくらいのレベル、カテゴリーでやれるのか。そんな悩みを持つサッカー選手にとって、フットサルという可能性を示してあげる。競技として再びフットサルで高みを目指したいと思うかもしれないし、「フットボールを続けていいんだ」と思えるきっかけとなるかもしれない。それこそが、流経大と奈須監督の思いでもある。

「この先もずっと、選手にフットボールを続けてほしい」。それは、「サッカーとフットサルの融合」の本当の意味なのかもしれない。流経大メニーナのプロジェクトは、まだ始まったばかりだ。

<関連リンク>
日本女子フットサルリーグ公式サイト

◀︎前の記事 トップ ▶︎次の記事