2018.05.12 Sat

Written by EDGE編集部

コラム

“木暮なでしこ5”が女子アジア選手権で準優勝。王座奪還を逃すも、上位2カ国のユース五輪出場権は獲得

写真:本田好伸

第2回AFC女子フットサル選手権タイ2018を戦ったフットサル日本女子代表は12日、決勝でイラン代表に2-5で敗戦。2015年の前回大会と同カードの相手にリベンジとはならず、アジア女王の座を目前で逃した。木暮賢一郎監督が率いた新生“なでしこ5”の初陣は準優勝で終えたが、今大会で上位2カ国に入ったため、今年アルゼンチンで開催される予定のユースオリンピック(14歳〜18歳)への出場権を確保した。
(文 本田好伸)

2大会連続でイランに敗戦

 木暮賢一郎監督が就任して初めての大会に臨んだフットサル日本女子代表は12日、第2回AFC女子フットサル選手権タイ2018の決勝でイラン代表に2-5で敗れ、アジア女王のタイトルを逃した。

 4月に14名のメンバーを発表してから、国内合宿、トレーニングマッチを経て大会を迎えたが、代表チームは短期間で大きな成長を遂げた。国内では、メンバーが所属するクラブの組み合わせをベースにした3セットでトレーニングを続けたが、大会本番ではそのセットを崩したオリジナリティーのある布陣で戦った。

 戦術やセットの組み合わせの試行錯誤を続けながらも、グループステージはレバノン代表、バーレーン代表、中国代表に3連勝。準々決勝ではウズベキスタン代表に5-1、準決勝は宿敵タイ代表に2-1で勝利して2大会連続の決勝へと進んだ。決勝までの5試合で31得点7失点と、木暮監督が大会前から公言していた通り「攻撃的なチーム」でありつつも、守備でも一定の成果を残して、2015年の第1回大会の雪辱の相手に満を持して挑むことになった。

 試合は前半から拮抗したが、後半に生まれた先制点をきっかけに大きく動いた。

「今までは先制点を取っていたが、イランに先に取られたことで、試合の流れを持っていかれた」

 江口未珂が試合後にそう話したように、27分に相手にゴールを許すと、わずか2分間で3失点を喫して、日本は試合のペースを引き渡した。さらに1点を奪われて木暮監督がタイムアウトを取ると、勝俣里穂をゴレイラにしてパワープレーを開始。江口が右サイドから豪快に揺らして1点を返したことで反撃ムードが漂ったが、再び1-5と4点差に離されて勝機は一気に遠ざかった。

 その後も日本は、ゴレイラを他のフィールドプレーヤーに代えながら相手の守備の穴を狙いにいったが、ゴールネットを揺らせたのは39分の一度だけ。最後まで攻め続けながらも、2-5でアジア女王の座にあと一歩、及ばなかった。

 女子チームを初めて率いて、一定の成果を手にした木暮監督は試合後、次のように振り返った。

「選手の中には、日常的に指導者がいないようなクラブもあるし、練習量もチームでまちまちという状況もある。そういう環境をすぐには変えられないが、今すぐに変えられるのは、14人の選手が、この大会期間中に学んだものをチームに還元すること。できたことやできなかったこと。こういうことが起きたとか、その結果、負けてしまったと伝える。日本で待っている選手が、この14人から刺激をもらって『私たちも代表に入りたい』と願うサイクルを作らないといけない」

 日本女子代表は、2013年のアジアインドアゲームズでアジア3連覇を達成して以来、タイトルから遠ざかっている。2015年の第1回アジア選手権、2017年のインドア・マーシャルアーツゲームズで準優勝。今回も合わせると、3大会連続で“アジアの二番手”に甘んじていることになる。

 だが彼女たちは今大会で、一つの大きな成果を成し遂げた。上位2カ国に与えられる、今年アルゼンチンで開催されるユースオリンピックの出場権だ。今大会を戦った14人のメンバーの中に、出場規定の14歳〜18歳に該当する選手はいないが、彼女たちに続く世代の選手のために、価値ある“チケット”を手にして大会を終えた。

 次の女子アジア選手権は2020年。男子フットサルワールドカップと同年、世間的には東京オリンピックに沸くメモリアルイヤーだ。2年後に向けて、女子代表は再び、歩みを進めていく。

【AFC女子フットサル選手権タイ2018 大会結果】
5月3日(木) グループステージ第1戦 5-1 レバノン代表
5月5日(土) グループステージ第2戦 13-1 バーレーン代表
5月7日(月) グループステージ第3戦 6-4 中国代表
5月9日(水) 準々決勝 5-1 ウズベキスタン代表
5月10日(木) 準決勝 2-1 タイ代表
5月12日(土) 決勝 2-5 イラン代表

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