2018.04.20 Fri

Written by EDGE編集部

インタビュー

「女子フットサル界の風向きを変えたい」。なでしこファイブ・木暮賢一郎新監督による1時間の“決意表明”。

日本代表を率いる上で男子も女子もない

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 現時点で誰が中心というのはありません。実際の練習回数はゼロですし、この選手がいなければできないというチーム作りではなく、まずは日本代表が目指すプレーモデルを習得してもらうこと。それを大会でスムーズに発揮できることが大事だと思っています。

 自分自身、女子を率いて戦うのは初めてですが、過去の映像などの分析は進めています。かつての監督のやり方や女子代表の歴史、マインドの良いところは引き継ぎながらも、自分のカラーを出していきます。たくさん点を取る攻撃的なスタイルを貫いていきます。

 攻撃的なスタイルとは、攻守の両方で積極的にイニシアティブを取ること。守備では高い位置から1秒でも早くボールを奪い返して、攻撃でも相手コート10メートルより奥に侵入する。相手が危険を感じるところにボールも人もいる時間を長くすることが大切です。

 過去にはイランやタイに敗れていますが、どういう国が脅威になるかは改めて分析が必要です。ただ何よりも重要なのは日本のプレーモデルをどこまで落とし込めるか。ライバルよりも自分たちが高い意識とビジョンを共有して最大の効果をあげることが大切です。

 女子フットサルが良い方向に進むためには代表に魅力がないといけません。その魅力とはタイトルを獲ることと良いフットサルをすること。この2つを今大会で示して、もっとうまくなりたい、自分も入りたいと思う選手、見てくれるファンを増やしていきたいです」

 日本代表を率いる上で男子も女子もありません。夢の一つが代表監督でしたから非常に重要なことですが、個人の夢や目標を叶えるために代表があるわけではない。いろんな背景の中で自分がオファーを受けて引き受けた以上、目標達成に向かっていくだけです。

 代表活動が少なくても、各クラブが良い取り組みをして良い選手を輩出すれば代表の強化になります。環境が『ないから勝てない』ではなく『ないけど勝った』が次につながる。大阪でもそのマインドでした。良い方向に持っていくアクションを起こしていきます。

 クラブと代表では、代表が短期決戦であることは間違いないですが、チーム作りにおいて最大限の準備をするスタンスは同じです。ただし、クラブであれば見るべきサイクルは一週間。勝敗や次の相手など、最終的な目標に対して逆算するところがスタートです。

 代表の修正時間は勝ちながらしかありません。自分の準備はプレーモデルやセットプレーなど。過負荷でも、少なすぎてもいけない。相手がマンツーマンかソーンかプレス回避はどうか。分析に応じた適正な情報量と選手との相性などを見極める必要があります。

 代表に初めて来る選手もいますし、日の丸を背負う意義やマインドを伝える必要があります。フットサルに取り組む姿勢や代表で戦うため、世界に出ていくために必要なもの。それらを理解してクラブに持ち帰り、そこを目指す選手が増えるサイクルを作りたいです。

 かつての自分たちも、Fリーグができる前から似たようなサイクルがありました。代表に来ることで、プレーや大会の楽しさ、初めて取り組む戦術、タイトルを獲る喜びを味わえる。女子フットサル全体が代表から底上げされていく。選手とはそんな接し方をしたいと思います。

 クラブでは活躍すれば給料が上がったり良いオファーがあったりしますが、代表では活動期間でそこは考慮されません。1分しか出なかったとしても必要だから呼ばれている。選手にはそういうことを感じてほしい。だから代表とクラブでは、チーム作り自体は変わらなくても、選手への接し方は変わってきます。

 そうしたチーム作りのコンセプトや哲学は、まだ理想の話でもあります。これから選手と触れ合う中で、僕が思い描くものと現実の着地点を見つける必要があります。そこを見誤ってしまえば良い結果は出ない。合宿の1分、1秒を無駄なく過ごしたいと思います。

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