2018.01.27 Sat

Written by EDGE編集部

コラム

なぜ清水和也は前後半で別人のように良くなったのか? 世界王者・アルゼンチン戦で見せた恐るべき環境適応力。 

写真:本田好伸

世界王者を相手に、日本代表はどこまでできるのか--。AFCフットサル選手権の強化試合として行われた1月25日のアルゼンチン戦で、ポジティブな驚きを与えたのがフウガドールすみだの清水和也だった。前半こそピヴォの位置でキープできずボールを失う場面が目立ったが、時間が経つごとにアジャスト。なぜ前後半で別人のように良くなったのか。日本の新エースがピッチでつかんだものとは。
(取材・文 福田悠)

Fリーグと国際試合の違いに戸惑うも……

 アルゼンチンのフットサルは、率直に言って非常にシンプルだった。後ろ3枚、ピヴォ1枚というオーソドックスな形から攻撃を組み立て、守備でもマンツーマンでしっかりと人に付く。戦術的に特別なことをやってくるわけではない。

 来日から1回しかトレーニングを行っておらず、コンディションは決して良くなかったはず。それでも、一番肝心なところではグッとギアを上げてくる。そうした要所をことごとく締める戦いぶりは、実に南米の強豪国らしいものだった。

 とりわけ目立ったのは球際での強さと、駆け引きのうまさだった。

 Fリーグでは別格の存在になりつつある清水和也も、立ち上がりはアルゼンチンのアグレッシブなディフェンスに手を焼いた。アルゼンチンのマーカーはピヴォ当てが入りそうなタイミングで強引に清水の前に入り、時には激しく身体をぶつけ、また時にはユニフォームを引っ張り、ファールすれすれのプレーで自由を奪いにきた。

「縦パスを受けたときも、後ろからかなりガツガツ当たってきました。球際の強さやアグレッシブさは想定していたよりも上でしたね。レフェリーの基準も当然Fリーグとは違いますが、国際試合ならではの環境の中でも、初めからしっかりと適応できるようにならないといけないと思います」

 とはいえ、清水は時間を追うごとに徐々に順応し、後半は相手を背負ってキープする場面も増えたように見えた。だが、本人は「前半よりは多少改善できたのでそこは収穫」と一定の評価をしつつも、「受ける位置がまだまだ低い」と課題を口にした。

 縦パスを受ける位置がゴールに近くなればなるほど相手のプレッシャーもより一層激しくなるが、高い位置で収められれば相手にとってより危険な存在となれる。世界トップレベルの激しい寄せにどう対応するか。清水の中でも対処法を模索中だ。

「相手を背負ったときにボールを足裏で踏んだままキープするのではなくて、あえて一度自分から少し離れた位置にボールを置いて自分の前に小さなスペースを作る、というようなプレーも必要なのかなと思います。そうすると足裏でキープしている時と違い両足で踏ん張れるようになって、背中とお尻でしっかりと相手をブロックする体勢が作れるので。視野をより広く持てたり味方が走り込む時間を稼げたりということに繋がるので、より効果的なキープになるのかなと思います」 

 味方への落としや、それを囮(おとり)にした反転シュートが打てるような「狙えているキープ」なのか、それとも「キープするだけで精一杯のキープ」なのか。「ゴール前の危険な位置でのキープ」なのか、「下がった位置でのキープ」なのか。

 同じボールキープでも、その質によって相手に与える怖さや効果は大きく変わる。危険なエリアでプレーしようと試みたときに、世界トップレベルのチームがどれだけの迫力で対応してくるのか。それを肌で感じられたことこそが、この試合の何よりの収穫だろう。 

「今日のような相手に対して、どういう受け方をした時は良いプレーができたのか、逆にどんなプレーで自分がボールロストしたのかをしっかりと見極める必要があります。次につなげられるように、しっかりと映像を見て修正したいと思います」

 この1試合だけでも大きな経験値を獲得した清水。これをさらなる成長の糧としたいところだ。まずは28日、富山で行われる第2戦でのプレーに注目したい。

【国際親善試合 第1戦】
1月25日(木) 19:05 2-4 アルゼンチン代表 東京/大田区総合体育館
得点経過
1分 1-0 クリスティアン・ボルット
16分 2-0 ルーカス・ボロ・アレマニー
18分 3-0 ルシアノ・アベリノ
33分 4-0 アラン・ブランディ
34分 4-1 吉川智貴
39分 4-2 清水和也

【フットサル日本代表国際親善試合メンバー】
監督 ブルーノ・ガルシア(日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ)
コーチ 鈴木隆二(日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ)
GKコーチ 内山慶太郎(フウガドールすみだ)
フィジカルコーチ 下地達朗(シュライカー大阪)

GK
2 ピレス・イゴール(ペスカドーラ町田)
1 関口優志(名古屋オーシャンズ)
16 矢澤大夢(フウガドールすみだ)
FP
9 森岡薫(ペスカドーラ町田)
11 星翔太(バルドラール浦安)
14 西谷良介(名古屋オーシャンズ)
13 渡邉知晃(府中アスレティックFC)
8 滝田学(ペスカドーラ町田)
5 皆本晃(府中アスレティックFC)
10 仁部屋和弘(バサジィ大分)
6 吉川智貴(名古屋オーシャンズ)
3 室田祐希(ペスカドーラ町田)
7 逸見勝利ラファエル(ベンフィカ=ポルトガル)
15 加藤未渚実(シュライカー大阪)
4 齋藤功一(名古屋オーシャンズ)
12 清水和也(フウガドールすみだ)

第2戦
1月28日(日) 15:10 vsアルゼンチン代表 富山/富山市総合体育館

AFCフットサル選手権チャイニーズ・タイペイ2018
グループリーグ
2月1日(木) 19:00 vsタジキスタン代表
2月3日(土) 19:00 vs韓国代表
2月5日(月) 16:30 vsウズベキスタン代表
決勝トーナメント
2月8日(木) 19:00 準々決勝
2月9日(金) 19:00 準決勝
2月11日(日) 19:00 決勝

【NHK-BS1 LIVE放送】※キックオフ5分前から放送開始予定
1月25日(木) 19:05 vsアルゼンチン代表 東京/大田区総合体育館
1月28日(日) 15:10 vsアルゼンチン代表 富山/富山市総合体育館

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