2018.01.13 Sat

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【永井義文のフットサル観戦力講座】第2回「すみだ・大薗諒のボウリングシュート」

写真:本田好伸

元日本代表であり、昨シーズンをもってシュライカー大阪で現役を引退した永井義文が、Fリーガーのプレーを徹底解説! 将来的に、指導者としてFリーグ監督を目指す永井は普段からどんな視点で選手を見ているのか。AbemaTVのハイライト動画を元に、永井の独特な視点と、関西人ならではのユーモアに詰まった解説をお届けする。第2回目は、フウガドールすみだの“パワーシューター”大薗諒が第32節で見せたテクニカルなゴールを紹介!
(文 永井義文/元フットサル日本代表)

スパット=ゴレイロの弱点

 こんにちは! 永井義文です!

 第2回目の「永井義文のフットサル観戦力講座」は、AbemaTVで編集された第32節のベスト3プレーに選出された、フウガドールすみだ・大薗諒選手のゴールシーンです!

 ちなみに、futsalEDGEでコラムを始めた経緯は第1回「浜松・中村友亮の隠れ蓑ゴール術」で書いていますので、まだご覧になられてない方は、ぜひそちらもチェックしてみてください。

 さて、本題です。今回は、観戦者はもちろん、GK(ゴレイロ)との1対1の局面に課題を感じている小学生や、サッカー、フットサルをプレーする多くの方に読んでいただきたい内容となっています。

 大薗選手がゴールを奪えた要因は、大きく分けて2つあります。

①ドリブルの進路が絶妙だったこと
②ボウリングシュートができたこと

 では、順を追って説明していきます。

①ドリブルの進路が絶妙だったこと

 ピッチ中央でボールを奪った大薗選手は、ドリブルの進路をバルドラール浦安の加藤竜馬選手の「撤退進路」に重ねています。これによって、加藤選手が撤退する道を遮ることができました。

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 ゴールを直線的にイメージしながら、ドリブルの進路を1人分の幅の中で設定してボールをゴールまで運べたことで、ゴレイロとの1対1の勝負を挑む時間を作り出しました。

 もし、加藤選手の撤退進路に入らずにそのまま真っ直ぐドリブルをしていたら、日本を代表するスピードスターの加藤選手はゴール前で大薗選手に追い付いていたでしょう。そしてシュートの際に体を寄せられ、フリーでシュートを打てる態勢に持ち込めなかったと思います。ドリブルの進路を横幅1〜2メートルで調整できる大薗選手の技術がこのゴールにつながっているのです。

②ボウリングシュートができたこと

「ボウリングシュート」とは、ボウリングで、ボールをピンに当てるようにシュートを打ってゴールを決めることです。この名称を初めて聞いた人が多いと思いますが、普段から僕が使っている造語です(笑)。

 ボウリング上級者の方たちは、ピンに当てるために「スパット」という目印を見ながら、ファールラインを越えることなくボールを投げます。投げ方や強さ、回転を調整しながら、自分の狙ったスパットを通すことができれば、ピンをしっかりと見ることなく、ストライクやスペアを取れるのです。

 ここで、ボウリングと1対1をリンクして、ボウリングのレーンとゴール前のシーンを重ねてみます。

ピン→ゴール
スパット→ゴレイロ
シュート位置→ファールライン

 このようにリンクさせていきます。

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 ボウリングと同じように、ピンとなるゴールマウスをしっかりと見る必要はありません。「スパット=ゴレイロの弱点」を通すことで、ゴールを奪えるのです。

 その際の注意点は2つあります。

1.ファールラインを超えないこと
2.「スパット=ゴレイロの弱点」を理解しておくこと

 ボウリングでいうファールラインは「シュート位置」のことなので、そのポイントの見極めが大切です。ファールラインを踏み越えてゴレイロに近づきすぎると、狙い所がなくなってしまいます。また、ゴレイロの弱点とは、顔の横や股下を通されないために折り曲げている足の上です。

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 このボウリングシュートを完璧に再現した大薗選手のシュートは“神コース”と言われるゴールマウスの四角を捉えるようなコースではなかったのですが、狙い所がよかったためにゴールできました。

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 というわけで、皆さんも「スパット=ゴレイロの弱点」に集中してシュートを打てれば、ゴールを見なくても、大薗選手のようなベストゴールを決めることができるようになります!

 そういえば大薗選手は、第33節にもAbemaTVのベスト3プレーに選ばれるゴールを決めたのですが、ゴレイロの手を弾くような凄まじいパワーシュートでした。これをボウリングで例えると、ピンを弾いて豪快にアクションさせてストライクを決めるような、そんなゴールでしたね。

 ちなみに、大薗選手のボウリングの最高スコアは150前後だそうです。うまいとは思いますが、一般男性の平均は130前後ですから、なんとも中途半端……(プチ自慢ですが、僕は200超えです)。

 さて、今週末からいよいよプレーオフが始まります! すみだには清水和也選手やボラ選手のようなスター選手がいますが、大薗選手のように急成長中の選手の活躍こそが、チームをプレーオフ上位へと導くはず。

 プレーオフでの大薗選手の活躍に期待しています!

永井義文(ながい・よしふみ)
2008年、大学在学中からシュライカー大阪の主力選手として活躍。フットサル日本代表として国際大会で活躍する中、2014年には単身イタリアへ渡り、イタリアフットサルリーグ セリエA2「ASD FUTSALISOLAに在籍。リーグ戦14試合に出場して10得点を挙げる。2015年に再びシュライカー大阪へ戻り、2016-2017年シーズンはFリーグ優勝、フットサル日本選手権優勝の2冠獲得。2017年4月に引退を決意。現在は指導者として、各種メディア、イベント出演、解説など、日本フットサル界を盛り上げるべく活動中。

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