2017.12.11 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

「このままではFリーグという戦う舞台すらなくなってしまう」。観客数252人に神戸・稲田瑞穂が発したSOS。

写真:本田好伸

12月9日にグリーンアリーナ神戸で行われた第29節、デウソン神戸と府中アスレティックFCの一戦は、残り33秒に稲田瑞穂のゴールで神戸が3-3の同点に追い付く劇的な試合だった。しかし、観客数は、わずか252人。シーズンを通して集客に苦しむ最下位のチームにあって、稲田は、SNSを通して自身の切なる思いを訴えた。「たくさんのお客さんに来てもらいたい」。すべての選手の気持ちを代弁するこの思いが行動に変わり、神戸は、そして日本フットサルは変わっていけるのか──。
(文・本田好伸)

集客面でもダントツで最下位の神戸

 12月9日に行われた第29節、最下位に沈むデウソン神戸は、プレーオフ進出を狙う府中アスレティックFCとホームで対戦し、残り33秒で稲田瑞穂のゴールで同点に追い付く劇的な試合を演じた。だが、グリーンアリーナ神戸でこの試合を目撃したのは、わずかに「252人」。ホーム&アウェーではリーグワースト記録ではないだろうか。

 この事態に稲田は、「本日の観客数は252人。観客の数が1人でも5000人でも僕ら選手は全力で戦うことには変わりないのですが、非常に危機感と辛さがあります」と、自身のSNS上で嘆いた。

 チームの不振と、それに伴う人気の低下、そしてきっと、それだけではないFリーグへの注目度の希薄化……。神戸が直面したこの“惨状”は、フットサル界の現実をあらわにしている。

 今シーズン、Fリーグのリーグ戦は29試合を消化し、セントラル開催、6クラブ共同開催、ホーム&アウェーを合わせて17万2000人の観客を集めている。ただこの数字は、現行のレギュレーション、12チームによる3回戦総当たりになった2014年以降で、過去最低のペースだ。

 2014シーズンは25万9000人、2015シーズンは23万2000人、2016シーズンは22万7000人。これを試合数で平均すると、それぞれ、1308人、1172人、1146人、そして今シーズンはここまで、989人だ。1試合平均で初めて1000人を割る可能性があり、合計でも20万人にすら届かないかもしれない。集客という点において、Fリーグは明らかに衰退している。

 しかも、クラブ間の格差も顕著になり始め、ここまで9試合で1万5888人、1試合平均1765人を集めてきたトップの北海道に対して、神戸は8試合でわずか3955人、1試合平均494人しか集客できていない。今シーズン創設された、6チームずつが2会場に分かれて試合を行う6クラブ共同開催は、ホームでの開催であっても「セントラル開催」という扱いになるため、リーグが発表している入場者数の「ホーム&アウェー」にはカウントされないが、ただそれでも、「1試合平均」の数字は明らかなもの。ワースト2位のヴォスクオーレ仙台が5580人、同3位のバサジィ大分でも6477人であるため、数字上、神戸がダントツの最下位だ。

 こうした人気低迷の問題を会場でリアルに体感してきたことで、選手たちはきっと、どうしようもない喪失感のようなものを感じているのだろう。稲田の“心の叫び”は、まさにそれだった。

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B3や関東リーグにも及ばない数字

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