2017.11.03 Fri

Written by EDGE編集部

インタビュー

【独占インタビュー(3)】「日本の強化体制は遅れをとっている」ブルーノ・ガルシア監督が感じた最大の課題とは。

写真:本田好伸

2016年10月、フットサル日本代表の新監督に就任したのは、スペイン生まれの43歳、ブルーノ・ガルシアだった。就任から1年が経ち、ブルーノ監督率いる日本代表はA代表として初めての公式戦となるAFCフットサル選手権の東地区予選に挑む。日本の再建を託された指揮官は、日本フットサルの現状をどう見ているのか。独占インタビューを全3回に分けてお届けする。
(取材・文 スティーブ・ハリス)

核となる選手は大きくは変わらない

<前の記事>
【独占インタビュー(2)】「強度の高さと戦術的な集中力」ブルーノ・ガルシア監督が日本代表に要求する2つのこと。

hnd_9884

——ブルーノ監督はU-25代表で臨んだアジアインドアゲームスの内容に手応えを感じているということでした。ということは、今後は一気に若返りを行うことも考えていますか。

「いえ、日本代表の核をなす選手は大きくは変わらないでしょう。森岡薫(町田)、皆本晃(府中アスレティックFC)、吉川智貴(名古屋)、仁部屋和弘(大分)、滝田学(町田)、逸見ラファエル勝利(ベンフィカ=ポルトガル)、関口優志(名古屋)、ピレス・イゴール(町田)といった選手は、それぞれのチームを引っ張っている存在ですし、私が目指すシステムもスタイルもよく理解しています。いわば、日本代表の“アイデンティティ”となる選手たちです。室田、田村、植松晃都(湘南)、齋藤功一(名古屋)、矢澤大夢(すみだ)のような25歳以下の選手には、そこにフィットしていかなければいけません。Fリーグで素晴らしい仕事をしている選手は他にもいますが、残念ながらアイデンティティにフィットしない選手もいます」 

——日本がワールドカップの出場権を逃したり、U-20のAFCフットサル選手権でベスト8に終わったり、アジアの中で日本は優位性を示せなくなりつつあります。そのことについてはどう考えていますか? 

「5年前なら、現状の代表チームの活動量でもアジア王者になることができていました。ただ、アジア全体の底上げが進む中、日本の強化体制は遅れをとっていると言わざるをえません。私が就任することは、新しいプロジェクトの第一歩なのです」

——ブルーノ監督はアジアの中での日本の立ち位置をどのようにとらえているのでしょうか。

「昔に比べれば差こそ縮まったものの、キープ力や状況判断においては、日本の選手はベトナムやタイの選手を実力的に上回っているのは確かです。ただ、それだけでは勝てる保証はどこにもないですし、ハードワークをしなければ、(ワールドカップの出場権を逃した)タシュケントの二の舞を踏むことになるでしょう。もちろん、それができなければ、イランのような世界レベルの力を持っている国に勝ち目はありません」

——率直に言って、日本が再び強くなるためには、今ぐらいの代表活動回数では厳しいのではないでしょうか?

「もちろん、状況を改善しないと強化はありえないでしょう。なぜなら、私は魔法使いでもなんでもないのですから。まずは、最低でもFIFAが定めるインターナショナルブレークには試合をもっと組むべきだし、イランやアルゼンチンがやっているように、それ以上の試合数をこなしてどんどん力をつけていかなければいけない。サポーターを増やすためにも、公式戦は大きな意義を持っています」

 アジアを再び制覇し、世界の舞台でも活躍できるために--。ブルーノ・ガルシア監督が率いる日本代表は明日11月4日から行われるAFCフットサル選手権の東地区予選に挑む。初めてA代表で臨む公式戦で、日本はどんな戦いを見せるのか。

【筆者プロフィール】
スティーブ・ハリス(Steve Harris)
アメリカ・カリフォルニア州出身で現在は東京都府中市に在住。日本フットサル連盟創設時の理事の一人であり、日本フットサル界の成長を30年近くに渡り見守り続けている国内屈指の論客。世界的フットサルサイト「Futsal Planet」にも寄稿する。
ツイッターアカウント:@futsal1958

<関連リンク>
日本代表の新監督ブルーノ・ガルシアが就任会見。選考基準は「インテンシティ、戦術的集中力、大きなパッション」。
AFCフットサル選手権2018東地区予選の日本代表メンバーが決定! 14名のうち8名が“ウズベキスタン組”に。

◀︎前の記事 トップ ▶︎次の記事