2017.11.01 Wed

Written by EDGE編集部

インタビュー

【独占インタビュー(1)】「日本代表には“空白の世代”がある」日本代表ブルーノ・ガルシア監督が描く再建プラン。

写真:本田好伸

2016年10月、フットサル日本代表の新監督に就任したのは、スペイン生まれの43歳、ブルーノ・ガルシアだった。就任から1年が経ち、ブルーノ監督率いる日本代表はA代表として初めての公式戦となるAFCフットサル選手権の東地区予選に挑む。日本の再建を託された指揮官は、日本フットサルの現状をどう見ているのか。独占インタビューを全3回に分けてお届けする。
(取材・文 スティーブ・ハリス)

Fリーグはベテランに頼る風潮が強い

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——ブルーノ監督はラ・コルーニャ大学で指導論を勉強し、26歳にして監督デビューを果たしました。スペインのクラブを出発点に、中国、ペルー、ベトナムなど各国で仕事をしてきて、昨年はベトナム代表を率いてワールドカップでベスト16に入りました。自らのことを、どんな指導者だと思っていますか?

「ちょっと照れ臭いですが、情熱的な指導者でしょうか。戦術をどれだけ学んでも仕事に対する熱い思いがなければ、時計と睨めっこしながらの“ただの作業”で終わってしまいます。常に学び続けよう、そういう情熱は人一倍あると思っています。また、ハビエル・ロサーノ(元スペイン代表監督)やヘスス・カンデラス(元インテル・モビスター監督)という偉大な先輩たちは、蓄積してきた知識を惜しまずに共有してくれています。それを抜きにして今の自分は語れません。世界中で働いているスペインの指導者同士がお互いに支え合ってきているのも、成功のカギといえるでしょう」

——2016年10月にミゲル・ロドリゴの後任として日本代表監督に就任した際には、どんな強化計画を描いていたのでしょうか。

「2017年度の年間計画では、9月のアジアインドアゲームズと11月のAFCフットサル選手権の地域予選大会しか公式戦がありませんでした。しかも、アジアインドアゲームズの期間中はFリーグが中断しないということもあり、トップの選手を招集するのが難しいなら、若手にチャンスを与える機会にしようと考えました」

——アジアインドアゲームズでU-25代表を結成したのは、Fリーグのスケジュールとの兼ね合いがあったんですね。

「それもありましたが、対戦相手の監督として見ていて、『日本代表のメンバーは大きく変わっていない』という印象を持っていました。これは日本に来て初めてわかったことですが、日本では20代前半の年齢層が“空白の世代”になってます。20代前半になれば、主力選手として試合に出ていてもおかしくありません。スペインやブラジルで“若手”といえば、20歳以下の選手のことを指すのが常識です。しかし、日本では20代前半になっても若手とみなされてしまっています。Fリーグの試合でも、緊迫した場面では、どうしてもベテランに頼る風潮が強くて、若い選手は信頼されていないのか出てきません。緊迫した場面を経験しなければ伸びるチャンスが与えられません」 

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——トルクメニスタンで行われたアジアインドアゲームズのメンバーを23歳以下ではなく、25歳以下という中途半端なカテゴリーにしたのは、“空白の世代”に国際経験を積ませたいというのがあったのでしょうか? 

「スペイン流の指導方法を学んだ私としては、全ての年齢層の育成を視野に入れつつ指揮を執るつもりです。Fリーグでプレーしている20代前半の選手たちは、日本代表に入っている選手が少なく、国際経験が少ないという課題があります。例を挙げると、室田祐希(ペスカドーラ町田)。日本代表に呼ばれていましたが、これまではなかなか出場するチャンスがなかった。他にも、田村佳翔(フウガドールすみだ)、森村孝志(バサジィ大分)、三浦拓(エスポラーダ北海道)などもそうです。アジアインドアゲームズでは、国際大会で勝敗の責任をとりながらプレーする経験を積むことができました」

——若い選手の発掘には積極的に取り組んでいくつもりですか?

「もし実力が拮抗している選手が2人いれば、私は若い方をとります。それは日本代表合宿でも話しました。代表のベースを構成するメンバーを確保することは不可欠だけど、若手の投入で鮮度を保つのも必要です。“チームの再生”、それが大きなポイントだと考えています」

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【筆者プロフィール】
スティーブ・ハリス(Steve Harris)
アメリカ・カリフォルニア州出身で現在は東京都府中市に在住。日本フットサル連盟創設時の理事の一人であり、日本フットサル界の成長を30年近くに渡り見守り続けている国内屈指の論客。世界的フットサルサイト「Futsal Planet」にも寄稿する。
ツイッターアカウント:@futsal1958

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