2017.08.18 Fri

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【第11節プレビュー 町田×大阪】シンデレラボーイからの脱皮。大阪・田村友貴が“奇跡の逆転優勝”の鍵を握る。

写真:本田好伸

リーグ戦は今週末で1巡目が終了。大阪は10試合で6勝2分2敗で3位。彼らにとってこの数字は、連覇への道が険しいことを意味している。ただ大阪は昨シーズン、夏場以降に圧倒的な強さで頂点を極めた。今年も、そんな“奇跡の逆転優勝”を呼び起こせるのだろうか。鍵を握るのは、3年前のシンデレラボーイ、田村友貴だ。
(取材・文 本田好伸)

真価が問われる昨シーズン王者の戦い

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 シュライカー大阪の戦いは、昨シーズンのように順風満帆ではない。10チームと対戦して6勝2分2敗、43得点29失点で3位という数字は、リーグ連覇を目指すチームとしては厳しいものだ。実際、覇権を取り戻しつつある名古屋オーシャンズは9勝1分、48得点12失点と絶好調。勝ち点はすでに8ポイント差まで開いている。

 仮に、27勝2分4敗、186得点93失点という昨シーズンのリーグ1位の記録を基準にしてみると、大阪はこの先、6ポイントしか、勝ち点を落とせない。そんな奇跡のような戦いができるのだろうか……。いや、彼らを前にすると、その可能性がないとも言い切れない。何よりすでに、大阪にはその実績があるからだ。

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 昨シーズンの大阪も、序盤戦は波に乗り切れなかった。というよりも、木暮賢一郎監督のチームづくりは「ピークづくり」とも言えるほど、選手、チームの最高到達点をどこに持ってくるかを考えながら進められているため、終盤戦にかけて強さに安定感が増していく。昨シーズンの11チームとの初戦の対戦成績は、8勝1分2敗、52得点34失点(日程の都合上、エスポラーダ北海道との初戦は9月3日の第13節、名古屋との初戦は11月13日の第19節に開催された)。そこからの破竹の勢いは凄まじく、残りの試合を19勝1分2敗で駆け抜け、リーグ1位、リーグ制覇へとたどり着いた。そう考えると、今の大阪の数字は、決して“最低”ではない。

 ただ、楽観もできない。

 今シーズンは、7月にAFCクラブ選手権を戦い、チームは一度、例年以上にコンディションを上げた。にもかかわらず、優勝を狙った同大会では、国内リーグのような戦いを披露し切れずに、準々決勝で敗退。アジアのタイトルを逃した喪失感が、チーム全体に少なくない影響をもたらすことは、容易に想像できる。

 さらに、アルトゥールとチアゴもコンディションを落とし、昨年ほどのパフォーマンスを示せていない。チアゴにいたっては、直近の3試合を欠場するなど、チームにとっては大きな痛手。彼らはこの先、昨シーズンのような圧倒的な強さを示していけるのか、真価が問われているということは間違いない。

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 そんななかにあって、今後のキーマンとなりそうなのが、田村友貴だ。2014シーズンの終盤に、サテライトからトップ昇格を果たし、プレーオフで大活躍したシンデレラボーイは、3年目の昨シーズンにはもう、完全に中心選手に成長していた。2016年にはブルーノ・ガルシア体制となった日本代表の初合宿に召集されるなど、誰もが認める存在に。来週予定されているU-25日本代表にも選ばれた。期待は高まる一方だ。

 大阪はこれまで、小曽戸允哉だけがコンスタントに代表に呼ばれる選手だった。加藤未渚実も一気に駆け上がって来ていたが、今年2月、前十字靭帯損傷で約9カ月の離脱を余儀なくされてしまった。ポテンシャルの高い選手がそろいながらも、外国人選手への依存度は高かった。だからこそ、下から突き上げていく才能のある若手選手こそ、今の大阪には必要とされている。そういう意味で、田村はうってつけの選手だろう。

 フィクソとして守備をまとめ上げると同時に、今シーズンは攻撃意識も高く、すでに5得点をマーク。アルトゥールが不在だった第9節には、キャプテンマークを巻いてピッチに立った。監督からも、少なくない期待を寄せられていることは間違いない。「クラブ選手権で、外国人選手と戦ったことが一番大きな経験。そういうなかでも自信を持って、どれだけ自分を出せるのかということを、普段のリーグ戦からやっていかないといけない」。田村は今、一段階上のレベルへと進み始め、さらなる成長を遂げようとしている。

 今週末の第11節で、リーグ戦は1巡目の戦いを終える。大阪の11番目の対戦相手は、昨シーズンのプレーオフファイナルで苦しめられたペスカドーラ町田。この対決の勝利は、大阪が連覇に向かうための絶対条件と言えるだろう。シンデレラボーイから、誰もが認める選手へ──。田村の成長が、大阪浮沈の鍵を握る。

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 第11節
8月18日(金)
19:30 フウガドールすみだ vs ヴォスクオーレ仙台(墨田区総合体育館)
19:30 アグレミーナ浜松 vs バサジィ大分(浜松アリーナ)
8月19日(土)
17:00 府中アスレティックFC vs 湘南ベルマーレ(府中市立総合体育館)
8月20日(日)
14:00 バルドラール浦安 vs デウソン神戸(浦安市総合体育館)
14:00 名古屋オーシャンズ vs エスポラーダ北海道(武田テバオーシャンアリーナ)
17:00 ペスカドーラ町田 vs シュライカー大阪(町田市立総合体育館)★
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