2017.06.02 Fri

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【フットサル大賞選考会④マン・オブ・ザ・シーズン】第1回フットサル大賞は別次元の実力を見せつけたアルトゥール!

【特別賞/未来賞】

育成年代の裾野はこの10年で確実に広がってきた

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菊地 では、引退した選手の話題はどうでしょうか?

軍記 「功労賞」みたいなものをつくります? でも、シーズン終了前に発表していた選手以外にも、本当にたくさん辞めてるし、評価がすごく難しい。

本田 特定の選手っていうことでもないですからね。

菊地 引退した皆さん、ですね。誰に決めることはできないけど、これまでのフットサル界を支えてきた選手たちが、間違いなくいました。

本田 でも、示し合わせたわけじゃないのに、どうしてこんなに多かったんでしょうか?

河合 ワールドカップイヤーで、しかもリーグ創設から10年というのは区切りだったんじゃないかな。

太田 功労者だとは言え、リーグとして代わり映えしない面もあったから、いよいよ新陳代謝が始まっているってことなのかもしれない。

本田 でも、最後のシーズンにバリバリやっていた選手も多かったし、若い世代に押し出されたっていう印象はないですよね。やろうと思えば、まだまだできたんじゃないかなって思うほど。

河合 下からの突き上げがあって辞めるわけじゃないのは、残念だよね。

菊地 育成はまだ完全に成功しているわけじゃないから、好循環ではない。日本フットサルの場合は、たまたま良い世代がいて、それが集まってまた一時代を築いていくってパターンが合っているんだろうか。

軍記 今は、若い選手も辞めてますよね。大阪の水上洋人は話題になったけど、彼らの行動って、やっぱり今のフットサル界に対しての“抗議”みたいな意味合いもあると思います。

本田 それはあるでしょうね。でも言葉として「引退」って言っちゃうのは、ちょっと寂しい感じです。

菊地 結局、その後で地域リーグとかで続けているケースもこれまではあったし、Fリーグに復帰した例もある。“アマチュア”に引退はないからね。

本田 今、育成の話が出ましたけど、若くて辞めちゃう選手がいる一方で、少しずつ若い選手が出てきているのも事実です。名古屋は以前からそうでしたが、今は浦安やすみだ、府中、町田、大阪の育成組織には、ポテンシャルの高い選手も入ってきてます。北海道や湘南なんかもそうでしょうか。そういう育成組織出身の選手が少しずつトップで成長していけば、いきなりは無理かもしれないけど、この先、今まで以上にFリーグが高いレベルに到達できるかもしれない。

河合 アンダー世代の代表ができて、アジアでもU-20の大会ができたから、それは一つのモチベーションになる。今までならやってなかったような選手が引き付けられてますよね。それに、水上のようなレベルの選手って、これまでフットサルをしてなかった。要するに、引退後を考えずに専念できる家庭環境を持つ選手が多かったのが、ちゃんと自分で生活を考えないといけない選手も始めてるってこと。だからこそ、10年後を見据えるとこれではきついよねってなる。これは裾野が広がってきたと言うことができると思いますよ。だからこそ、フットサルが仕事の一つなるように、各クラブがどうしていくかを真剣に考える時期にきた。

軍記 裾野が広がってきたって言えるのかな?

河合 そこは、各クラブの育成組織もしっかりしてきて、そういう世代のチームが出る大会もできたから。

菊地 大卒ではなく、高卒からダイレクトに育成組織に入る選手が増えたよね。

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河合 例えば、今回のU-20 AFCフットサル選手権で代表に入った伊藤圭汰は、北海道の釧路でサッカーをやってきて、フットサルに触れないまま、全日本ユース(U-18)フットサル大会で全国大会を経験した。そこから代表に呼ばれて、「こんな世界があるんだ」って知って、本当は消防士になるつもりだったのに、ペスカドーラ町田アスピランチに入ったからね。そういう選手を拾える環境は少なからずできてきてる。

太田 ただ、裾野は広がりつつあるけど、チーム間の格差は広がってる。

河合 それはもう、各クラブの努力次第だよね。

太田 育成組織からトップに上げられる仕組みを整えつつあるクラブと、ほとんど手を付けられていないクラブと。この二極化は、この先もFリーグを続けていったら、もっと大きな差になる。

河合 ちゃんと運営しているクラブは、試合で利益を出せるから、試合が減ったら困るけど、逆に試合をすると体育館の使用料金がかさんで困るってことで、試合を減らしてほしいと言うクラブもあるし。

太田 新シーズンから、チャレンジリーグにすみだ、町田、名古屋の育成組織が入ったから、それは今後、若い選手がもっと揉まれていって、彼らが成長することでチーム力も上がって、将来的に、クラブはどんどん高いレベルになっていくんじゃないかな。そこに関しては、リーグの明るい展望だと思う。

菊地 それって、今まさに変わってきているところだから、「未来賞」ということでもあるね。

太田 やっぱり、前からちゃんとやってきた名古屋の育成組織出身の選手ってすごく多いし、質も高い。

河合 他のクラブがまだまだ動けてなかった頃からやってるしね。

太田 名古屋の育成組織は年齢制限があるんですよね。

河合 そうそう。大薗諒はそれで育成組織にいられなくなるから、フウガドールすみだに移籍した。

太田 他のクラブは、「育成組織」とは言え、「サテライト」、「アスピランチ」が意味する「2軍」だから、年齢制限ってないんじゃないかな。

軍記 名古屋の場合は、純粋に育成部門って感じだね。

太田 でも、名古屋だけの供給源だったのが、今では他のクラブも選手を供給できるようになった。これは間違いなく、リーグ10年間で発展してきたことですね。

本田 ちゃんと、積み上げてきたものが、形になってきた良い例だと思います。

菊地 では、未来賞は、「Fリーグ育成組織の選手」ということにしましょう。

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