2016.10.06 Thu

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【検証レポート】なぜFリーグには新しいスターが出てこないのか? フットサル界が解決すべき「育成」という課題。

写真:本田好伸

Fリーグの未来を考える上で忘れてはならないのが、「育成」の問題である。フットサル連盟やサッカー協会が主催するジュニア(U-12)、ジュニアユース(U-15)、ユース(U-18)の各カテゴリーのフットサル大会を見る限り、フットサル選手の育成が広く浸透し、目に見える成果を上げていないことは一目瞭然である。Fリーグの未来を担ってくのは育成年代の選手であり、そうした選手たちを今、Fリーグに輩出できているのだろうか。フットサルにおける育成の重要性やその現状、Fリーグの育成事情、そして、フットサルの今後の可能性について2回にわたって考察する。
(文・本田好伸)

徐々に若手選手は増えているが、台頭は少ない

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 これまで2回に分けた検証レポートにおいて、「Fリーグに未来はあるのか?」というテーマで現状のFリーグを考察した。

首位攻防戦の観客数が1103人。Fリーグにお客さんが入らない根本的な理由とは?

オールスターの投票結果で浮き彫りになったクラブ間の”人気格差”と”SNS力”。

 この2回では、Fリーグの発展のためには、日本フットサルを改革して強烈に引っ張っていくリーダーこそが必要であること、同時に各クラブが人気を高めていくためのアクションを起こすことが、未来へとつながっていくという内容を記した。

 ただ、もう一つ考えなければならないことがある。それは「選手の育成」である。2007年に創設したFリーグは、10年目に入ったが、各チームの主力選手の顔触れは大きく変わっていない。

 Fリーグでは2009シーズンから23歳以下の選手(今シーズンで言えば、1993年4月2日以降に生まれた選手)を少なくとも1名はベンチ登録することを義務化し、世代交代を促している。

 フウガドールすみだの清水和也のように10代から頭角を表し、日本代表に上り詰める選手は少数派で、新陳代謝が図られているとは言い難い。もちろん、クラブによって積極的な世代交代を行っているチームもある。

 例えば北海道は関口優志、室田祐希という2人の代表クラスの選手が移籍したために、必然的にそうならざるえを得ない状況もあったが、開幕戦では札幌大谷高校から加入した高卒ルーキーの内田洸介がピッチに立ち、Fリーグデビューを飾った。

 また、仙台は昨シーズンから指揮を執るスペイン人、ホセ・フェルナンデス監督はFCバルセロナのフットサルチームで育成部門の指導経験を積んできた人物であり、(クラブの財政事情も大きく関係しているが)開幕時点で平均年齢24歳と若いチームで臨んでいる。

 9連覇中の名古屋も、今シーズンから就任したペドロ・コスタ監督が「若手にチャンスを与える」と言い、開幕戦の先発に、橋本優也(サテライト所属の特別指定選手)を起用し、サテライト出身の八木聖人や、橋本と同じく特別指定選手の平田マサノリもピッチに立った。

 それでもまだ、Fリーグには将来の日本を背負って立つような、コンスタントに結果を残す若手選手は乏しいと言っていい。ただし、それはFリーグ、Fリーグのクラブだけの問題ではない。根本には、日本におけるフットサルの育成環境が十分に整っていないということがある。

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それぞれの年代で学ぶべき技術や戦術がある

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