2016.09.27 Tue

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【検証レポート】オールスターの投票結果で浮き彫りになったクラブ間の”人気格差”と”SNS力”。

フォロワー一人ひとりの顔を見ていく

 さて、話をFリーグに戻して改めて触れるが、肝心なのは数字ではなく、その数字を構成するのが生身の人間(=会場に足を運んでくれる観客)だと意識することである。先ほどプロ野球やJリーグの例を出したが、実はこのお客さんとの距離感という意味では、フットサルは圧倒的に分があると感じている。お客さんにとっても、フットサル選手がより身近な存在であることを感じられるために、各クラブがファン・サポーターに向けたアピールを増やしていくことで、人気向上、入場者数アップという好循環を生み出せるはずである。そのための手段の一つが、他ならぬSNSなのだ。

 ここで、下記の表を見てもらいたい。筆者は以前、別の媒体のコラムで12クラブのSNS活用状況に触れたことがあるのだが、その時に示した3月14日時点の数字と、現在の数字との違いがとても興味深い。

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(12クラブのSNS活用状況の画像【2016年3月14日時点】)

 例えば浦安は、今シーズンから広報戦略を強化したことで、明らかな数字の増加に成功しているし、いずれのクラブも、数字を伸ばしている。伸び具合の違いは、そのままSNSをいかに重要視しているかの表れだと考えてもいいだろう。その意味で、いまだに公式アカウントを持たない北海道や大分などは(北海道はFacebookのみ、大分は両方ともない)、そのあたりの取り組み方を改善することで、プラスアルファを作っていけるはずである(SNSを活用せずに明確に人気向上を図れるアイデアがあるのであれば、ぜひそれを率先して実行してもらいたいところだ)。

 ちなみに、まだ数字上の成果はそれほど表れていないが、神戸は今シーズンから、公式Twitterで非常にフランクなツイートをすることでファンとの距離をがっつり縮めている印象がある。どこまでくだけたらいいのか、またフォロワーの懐に踏み込んでいったらいいのかは、とてもバランス感覚の難しい問題ではあるが、単なる「情報の発信」だけで終わらない投稿というのは大切なことである。

 その意味では、またしてもプロ野球とJリーグの例だが、日本ハムとフロンターレは特に、ファンとの“良い塩梅”の距離感を保てていると感じる。この2チームは、LINEの公式アカウントを積極的に利用することで、ファンとの盛んな交流を生み出している(LINEの友だち登録数はそれぞれ、日本ハムが124885人、フロンターレが62301人)。選手がユニフォームではない姿で登場してコメントをしていたり、ロッカールームや、普段は目にすることができないようなくだけた写真があることで、ファンは選手を身近に感じられるのではないだろうか。G大阪も、LINE公式アカウントの友だち登録数は63247人いるが、あまり活用できてはいない。その一方で、87000人超が「いいね!」しているFacebookでは、選手やクラブの“舞台裏”を垣間みれるシーンが多く、どういったものがファンに受けるかを考えた投稿を意識しているように感じる。

 しかし、そうした、SNSを上手に活用するクラブがある一方で、Fリーグも含めたスポーツ界ではまだ、SNSの活用を情報発信や告知にとどめてしまうことが多い。SNSの拡散力というのはもちろん魅力的なのかもしれないが、そもそも発信をするだけであればホームページがあれば十分だとも言える。双方向性が実現されているSNSを活用する最大の理由は「コミュニティ」の創設であり、そこでコミュニケーションを図っていくことで、一人でも多くの人に、クラブ(や選手など)を応援してもらえるように、ファンやサポーターとあらゆる交流を深めていくことである。

 それを理解せずに、単なる情報発信や情報拡散のツールとしか捉えていなかったり、単なる囲い込みになってしまうだけだったりする現状を見る限り、まだSNSの活用方法には工夫の余地がある。もちろん、最初に挙げたように、クラブにはあらゆる方法の企業努力が求められ、SNSはその手段の一つにすぎない。とはいえ、このご時世、街で直接会うだけではなく、ネット上であっても、顔と顔を付き合わせた交流はできるものだ。各クラブが、自分たちの人気をどのように高めていこうかと考えるのであれば、そうしたフォロワー一人ひとりの顔も、きちんと見ていくことが大切である。

 Fリーグの明るい未来とは、各クラブがSNSを上手に活用した「新時代のコミュニケーション」を図っていった先に、拓かれていくものなのではないだろうか。

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