2016.09.26 Mon

Written by EDGE編集部

Fリーグ

【検証レポート】首位攻防戦の観客数が1103人。Fリーグにお客さんが入らない根本的な理由とは?

写真:本田好伸

「Fリーグに客が入らない」というのは、もはや周知の事実である。2007年の創設以来、公式発表される入場者数が劇的に下降しているということはないが、会場に足を運ぶ者として感じる“閑散ぶり”は、年々加速している。その一方で、素晴らしい試合に出会うこともある。9月3日に行われた名古屋とすみだによる首位攻防戦は、まさに「Fリーグのベストバウト」と言ってもいいくらいの内容だった。ただ問題は、そういう質の高い、フットサルの魅力に溢れる試合の目撃者(入場者数)がわずか1103人という現実である。本コラムでは、Fリーグの入場者数不足で痛感する問題を改めて示しながら、「Fリーグに未来はあるのか?」を考えていく。
(文・本田好伸)

Bリーグ開幕で痛感するFリーグの現状

 22日に、プロバスケットボールの新リーグ、「B.LEAGUE(Bリーグ)」が開幕し、国立代々木競技場第一体育館で行われたオープニングマッチには9000人を超す観客が詰め掛けた。

 オープニングセレモニーから地上波でも放送され、この歴史的な瞬間を目撃した人は相当数に上るだろう。筆者もテレビ画面越しにその光景を眺めながら、不思議な感覚を味わった。「ここは本当に、代々木体育館なのか?」と。エンターテインメント性に溢れる演出、LEDのコートで選手が紹介されて入場し、試合中もゴールが決まるたびに、コートの彩りが変化していた。いつもこの体育館(Bリーグでは「アリーナ」という表現を強調している)でフットサルを取材をしてきた者としては、それが同じ場所とは思えなかった。来場者の多くは、開幕2連戦のチケット購入者全員に配られていた赤か白のTシャツを着用し、手首には全員にプレゼントされたLEDライトが装着され、それらの装飾で彩られたスタンドを見れば、一体感に溢れる会場の熱気を想像することは難しくなかった。このBリーグの開幕戦には多くのフットサル関係者も足を運んでいたようだが、おそらく、そうした人も含め、この光景を目にしたたくさんのフットサルファンが、筆者と似たような感覚を覚えていたのではないだろうか。

 Fリーグも、2007年の創設以来、開幕戦は代々木セントラル開催を続けてきた。その記念すべき07年のオープニングには6000人を超す観客が訪れ、試合によっては7000人の入場者数を記録した。しかし翌年以降、入場者数は減少の一途をたどり、今シーズンにいたっては、名古屋と北海道による開幕戦は2544人にとどまった。セントラルの全試合は、スポーツに特化したインターネットTV「応援.COM」でライブ配信され、セントラル開催の翌週には、「J SPORTS」でもすべての試合が放送されている。とはいえ、地上波ほど広く一般の人が目にするような機会はない。「セントラルに客が入らない」、「そもそもFリーグに客が入らない」、「Fリーグはこのままで大丈夫なのか?」という声は、関係者のみならず、もはやFリーグに触れたことがあるすべての人が口に出して憂慮する、周知の事実のようになってしまっている。

 Bリーグはもちろん、まだ開幕したばかりであり、地上波で放送されていたあの一連の光景は、あくまでも「開幕式」である。華々しくて当然だ。それでも、未来の可能性に満ち溢れた華やかなスタートを眺めながら、どうしても「Fリーグの未来」を想像してしまうのもまた、当然であろう。果たして、Fリーグに明るい未来はあるのか——。

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人々が見逃してきた、多くの素晴らしい試合

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