2016.09.21 Wed

Written by EDGE編集部

Fリーグ

湘南の新守護神ファビオ・フィウーザは救世主になれるのか? ゴレイロ経験者のライターがデビュー戦を読み解く。

今後解決しなければならない課題

 対シュートにおいては好プレーを連発したフィウーザだったが、当然ながら連携面においてはまだまだこれから構築していく段階だ。特に言葉の問題は、今後時間をかけてクリアしていかなければならないだろう。

 この試合でも前半、町田がゴール前左45度の位置でフリーキックを獲得した際に、言葉の壁から決定機につながった場面があった。キッカーの森岡薫がパスを出す直前、ゴール前で金山をマークしていた選手が一瞬金山をフリーにしてしまう。森岡から金山へグラウンダーの速いパスが出る。完全に裏を取った形となった金山のシュートはミートせず事なきを得たが、失点してもおかしくない場面だった。

 言葉が通じる者同士であればゴレイロからの「絞れ!」の一言で修正できたシーンだが、当然フィウーザからその言葉はまだ出ない。フィウーザの日本語習得を待つだけでなく、チームとしての連携強化も課題となってくる。

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 最後尾からのコーチングは、ゴレイロの最も重要な仕事だ。刻々と移り変わる状況を正確に把握し、重要度の高い修正ポイントから順に味方に伝えていく。「どこへのコースを切るのか」「どこに出させるのか」といった意図を、小まめに、素早く、細かいニュアンスも含めて伝えなければならない。展開が早いフットサルにおいては、その重要度はサッカーよりもはるかに大きい。トップレベルであれば尚更で、ほんの1秒の遅れが命取りになるのだ。

 これはサッカーでも同様だが、ゴレイロのプレーに関する理解度が低い日本では、派手なセービングを連発するのが良いゴレイロだと思われがちだ。だが実際には、「敵・味方の特徴を把握した上でコーチングによって味方を動かし、できるだけシュートを打たせない」のがベストなプレーだ。

 シュートを打たれてしまうにしても、少しでも遠くから打たせる、少しでも角度のない場所から打たせる、または利き足と逆の足で打たせるなどして、ゴールになる確率を少しでも下げることが求められる。

 そもそものFPの守備能力や理解度も関係するためゴレイロ1人でどうにかなる問題でもない。また、相手もあることなのでそういつもいつも狙い通りに限定できるわけではないのだが、打たれたシュートを止める受動的なプレーではなく、自ら主体的に働きかけることで、打たれるシュートを少しでもイージーなものにしなければならない。

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初対面から日本語で「こんにちは」

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